Live concert at Mechanics Hall, Worcester, MA, 11/7/2007, $39 ★★★★

Pat Metheny Trio / (Live concert at Mechanics Hall, Worcester, MA, 11/7/2007, $39)

::★★★★::2007::--::jazz::

■ けっこうクロスオーバーなライブ

オレ的に微妙な位置付けのギタリスト、パット・メセニーですが、テクいギタリストをライブで観るのは好きだし、なによりも今回はソフト・フュージョンな「グループ」ではなく、よりジャズ寄りの「トリオ」のライブなので、喜んでチケットを取りました。

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当日はレンタカーを借りてえっちらおっちら郊外まで。ホールは初めて行ったところですが、クラシカルな雰囲気のホール。とはいえ、オペラハウスとも違うし、「2階席のある教会」みたいな感じ。

ライブは開演時間ほぼきっかりに始まり、このあたりのきっちりさがメセニーっぽい気がした。まずはメセニーのソロ演奏。アコギ演奏に続いて、メセニー特注の「ピカソ・ギター」(写真)を使った無国籍風な演奏。すごいことはすごいけど、メディテーション/ニューエイジ風でもあり、このあたりのセンスにはやはり付いて行けない。ステージセットにはメセニーのステージには良く置いてあるらしい観葉植物の木が置いてあったし。(余談だけど、メセニーの公式ウェブサイトにはメセニー本人によるお勧めの音楽、本、映画などのリストが日記みたいに公開されているんだけど、その中にリチャード・ドーキンスのベストセラー「The God Delusion」が入っていて、この本は宗教全般を厳しく批判している本なので、宗教入っているわけではなさそう)

しかしほどなく、クリスチャン・マクブライド(b)とアントニオ・サンチェス(dr)が登場して、オーソドックスなジャズに入ってほっとしました。あのソロ演奏が延々続いたらキツかった。

パット・メセニー・トリオのアルバムは今のところ2000年の「Trio Live」が最新ですが、当時のビル・スチュアート(dr)&ラリー・グレナディア(b)の繊細で、よりストレートにジャズな演奏に比べると、マクブライド&サンチェスのリズム隊はアクが強く、マッチョ。特にアントニオ・サンチェスのラテンテイストあふれるドラムはすごい!の一言。がんがん演奏を煽っていきます。押しが強過ぎて最後の方はちょっと飽きてしまいましたが。パワフルなドラムに合わせるかのようにクリスチャン・マクブライドのベースも遠慮なく存在感を発揮していましたが、巨体に似合わず大変メロウな演奏で感心してしまいました。

アンコールではロック編成っぽくやるなど、2000年の王道ジャズ的なトリオに比べるとずいぶんと押しが強く元気な演奏で、よりクロスオーバー的な演奏だったと言えるかもしれません。このトリオのアルバムは来年出るようですが、楽しみですね。(12/8/2007)