プレフューズ73について
Prefuse 73
プレフューズ73 (2000年ごろデビュー)
::club::abstract hip hop::
【概観】
プレフューズ73は、アメリカ人アブストラクト・ヒップホップ・プロデューサー、ギレルモ・スコット・ヘレンの変名。スコット・ヘレンは他にも、デラローサ&アソーラ、サヴァス&サヴァラスなどの変名プロジェクトでも活動していますが、これらの中ではプレフューズ73がおそらくもっとも知られていると思うし、本人もリミックスでPrefuse 73の名で仕事することが多いようなので、スコット・ヘレン関連のプロジェクトはいちおうこのプレフューズ73の元で扱うことにします。
アブストラクト・ヒップホップと言っても、(アブストラクト・ヒップホップ畑の一定数の人がそうであるように)スコット・ヘレンはストリートDJというよりも内省的サンプリング構築を中心に、デスクトップレコーディング系のプロデューサー/リミキサーであると言えるでしょう。
スコット・ヘレンの特にプレフューズ73名義でのサウンド構築のスタイルは、グリッチと呼ばれるカットアップ・サンプリングがなんといっても特徴的で、突っかかりのあるリズムの上に、レコード針の「ぶつっ」という音を含めて原型をとどめないほどカットアップされたサンプリングが積み重ねられるジャジーでアバンギャルドな音世界は、どこか浮遊感とリリカルさがあり、多くのクラブ系プロデューサーに影響を与えました。そういえばm-floが坂本龍一とやった「I Wanna Be Down」(Astromantic収録)はモロに(笑っちゃうほど)Prefuse 73のスタイルでした。
ジャズ好きらしいのですが、最近はけっこうフォーク色も強く、生演奏への興味が増えているように思います。ここのところデビュー当時のインパクトが薄れているのが気になりますが、またあっと驚く何かをやってくれるのではないかとまったり期待しています。
(12/14/2007)