2010年度(US編)

遅くなりました! といっても誰も待っていないだろう自己満足企画iTS年間ベストセラー大人買い祭りの「US(アメリカ)編」です。iTunes Store USの曲ダウンロード年間50位に入った曲を片っ端から購入して無責任に感想を書きなぐる企画です。

概観ですが、去年から顕著になったオートチューン&ユーロダンス・サウンドの席巻は、その勢いが衰えるどころか、むしろ激化しています。アッシャーもフロ・ライダーもエンリケ・イグレシアスも、プライドも何もかなぐりすててユーロダンス路線にまっしぐらです。恐ろしいですねえ、市場経済って。

この破壊力は、かつてファンク・ミュージックを絶滅においやったディスコ・ブームに匹敵するかもしれません。もう、R&Bもヒップホップも破壊されまくりです。

ただ、去年も書きましたが、ユーロポップは実は嫌いでないし、エレクトロはむしろ大好きなオレですので、この傾向にはそれほど批判的ではありません。ていうか、楽しんでいます。また、ユーロ系は無個性・匿名的、そしてトラッシュなのも、ちょうアリな世界なので、個性がなくたって、皆おんなじだって、別に構わないのです。ユーロ・トラッシュまんせー。

というわけで、以下、各曲の感想を書きなぐります。たかだか1曲や2曲聴いただけで判断するのは無茶だと分かりつつ、お気に入り度を★で記しますが、「★★★」が標準。「けっこういいな」と思ったら「★★★★」、「これはけっこう聴くのがキツい」と思ったら「★★」。「★★★★★」は、「この曲なら何回でもリピートオッケー!」という曲です。

あくまで【な】本人の「お気に入り度」ですので、もし貴方と意見が違ったら「こいつ分かってねえな」と笑ってやってください。

ではでは、本年度分。

1. Train / Hey, Soul Sister (2009) ★★★

いきなりトレインかよ! というのが第一印象。トレインといえば、2001年の「Drops of Jupiter」という、アメリカの中庸な白人が好きそうな暑苦しいアメリカン・ロック・バラードを大ヒットさせたグループという印象が強いのですが、まだしぶとくヒットを飛ばしていたとは…。しかも、昨年度23位、一昨年度13位だったジェイソン・ムラーズのI'm Yoursにそっくりの、軽いレゲエ風味、軽いウクレレ風味のさわやか〜なポップスで、ユーロ・エレクトロ路線の他はこういうアコースティックなのが今のアメリカの流行なんかね。てか、I'm Yoursとほとんど同じ曲じゃん、これ。

2. Katy Perry / California Gurls Feat. Snoop Dogg (2010) ★★★★★

さて、2位は売れっ子の「破天荒姫」ぶりっこのケイティ・ペリーのこの曲。もう、おまえ恥ずかしくないんかいというほど、モロのエレクトロ・ダンスチューンです。ちょっとハウスよりかな。驚くほどの商業主義、驚くほどの節操のなさですが、嫌いじゃない。むしろ好きです。この泡沫な感じにしびれます。Keshaが歌ってもまったく違和感のないナンバーですが、いいんです、個性とか、そういうのはもう。この無個性でドポップなサウンドに溺れるのみ。カッコいい。

3. Eminem / Love The Way You Lie (2010) ★★★

すっかり復活したエミネムですが、どうも最近のエミネムは哀愁シリアス路線ばかり(最近でもないか)で、あまり好きになれません。この曲も、「メランコリックな女性ボーカル+タフなエミネム」というエミネム定番曲で、好きな人は好きなんでしょう。初期のユーモア精神のあったエミネムが懐かしい。

4. B.O.B. And Hayley Williams / Airplanes (2010) ★★★

上のエミネムと似たような、哀愁女性ボーカル(こっちは白人)+ラップの曲です。どっちもイントロがピアノだし、あんまり区別付きません。

5. Taio Cruz / Dynamite (2010) ★★★

この人はイギリス人なんですね。ナイジェリア人とブラジル人のハーフということで、オートチューンばりばりのボーカルには少しエキゾチックな風味があります。曲はおもいっきりユーロダンスで、レディ・ガカを薄味した感じですが、この薄い感じも持ち味になっていると思います。サビの「Sayin' Ayo / Gotta let go」という一節が頭に残ります。嫌いじゃない。

6. Usher Feat. will.i.am / Omg (201) ★★

アッシャー、おまえもか。という感じで、アッシャーもオートチューン&ユーロトラッシュ路線に走ってしまいました。このあたりの節操のなさには、逆にアメリカのショウビズの熾烈さが喚起されますね。売れるためなら悪魔に魂を売らなければならない、と。しかしこの曲はwill.i.am(ブラック・アイド・ピーズ)の悪い面が出たように思います。ぬるいサウンド、単調なメロディ。サウンドプロダクションのぬるさに合わせるかのように、アッシャーのボーカルにもまったく生気がなく、おまえらやる気あんのか!?と怒りさえおぼえますが、それでもヒットしてしまうんですから、よっぽどオレの耳が狂っているに違いありません。

7. Taio Cruz / Break Your Heart (2009) ★★★★

タイオ・クルーズ2曲目。出世作ですね。ほんと、こんなユーロな曲がアメリカのチャートを駆け巡るなんて、どうしちゃったんでしょうね、世の中。ただ、単にユーロなだけでなく、オートチューンのボーカルに黒さがある(といってもソウルフルではない)のが、新しさでしょうね。泡沫感バリバリのぬるいユーロ・トランス・ポップのこの曲ですが…嫌いじゃありません。病み付きになるキャッチーさです。空っぽな感じがいい。

8. Kesha / Tik Tok (2009) ★★★★★

「ちょっと不良な歌姫」の座を巡り、ケイティ・ペリーを猛追しているのがこのケシャ。デビュー曲であるこの曲、すみません、オレもはまりました。イントロはモロにレディ・ガガの亜流なんですが、全体としてはレディ・ガガの「アート感」がまったくないのが重要な違いで、もっとティーネイジャーに近い目線で人気をかっさらいました。中高生からはほど遠いオレが何に惹かれたのかというと、このだらしない、ただれた雰囲気ですね。かなり計算も入っているかと思うんですが、スラッカー(だらしのない駄目人間)的な雰囲気が(・∀・)イイ! サビも頭にこびりつきます。

ちなみにケシャの最初のメジャーな仕事はフロー・ライダーの「Right Round」(iTSチャート昨年度2位)のサビのコーラスだそうです。

9. Lady Antebellum / Need You Now (201) ★★★

最近のUSチャートの傾向として、コンスタントにカントリー系のポップソングが入るというのがあり、この曲もそうです。カントリーといっても、コンテンポラリー・カントリーは普通のロック/ポップスとほとんど変わりなく、この曲も知らない人が聴いたらカントリー・アーティストとは思わないでしょう。メロウで良い曲ですが、あまり頭に残らないかな…。

10. Eminem / Not Afraid (201) ★★★

ま、いつものエミネムです。今回は女声は入ってませんが、ハッタリっぽいシリアスな芸風は変わりません。

11. Black Eyed Peas / Imma Be (2009) ★★★★

BEPの曲はほんと玉石混淆で、「Boom Boom Pow」のような大胆で創造的な曲と、「I Gotta Feeling」のような凡庸でクソつまらない曲の両極を自由自在に行き来しています。まあ、それでどっちのタイプもヒットさせてしまうのがBEPの強さですね。

で、この曲は前者の素晴らしい方の極にあります。「アマビー、アマビー」と連呼する、極端にシンプルかつチープな前半部から、同じく「アマビー、アマビー」と連呼する予測不能な後半部の馬鹿馬鹿しい展開まで、ヒット曲の定石を破壊する様は見事であります。斬新かつ馬鹿っぽいというのが素晴らしい。

ちなみに、PVの方はCDの方と後半部が全然違っていて、それでも同じ曲のふりをしているのがまた笑えます。

12. Enrique Iglesias / I Like It (201) ★★★

エンリケ、おまえもか! という感じで、こいつもオートチューン&ユーロダンス路線に臆面もなく走っています、ある意味アッシャー以上に。このあたりの節操のなさには、逆にショウビズの(以下ry

13. B.O.B / Nothin On You (Feat. Bruno Mars) (201) ★★★

今年度のトレンドとしては、フィリピーノ・ヒスパニックのシンガー、ブルーノ・マーズのメロウなテナー・ボーカルをフィーチャーした曲が多かったということでしょうか。しかも、マーズのボーカルは、意外に存在感があるので、この人がラッパーの曲のサビを歌うと、ラッパーがメインなのか、シンガーがメインなのか、分からなくなります。

この曲もそういった曲の一つで、むしろラッパーの方が喰われています。

14. Kesha / Your Love Is My Drug (201) ★★★★

ケシャ、2曲目です。「Tik Tok」ほどのアクはなく、普通のハウス系ユーロ・ダンス・ポップですが、ド・キャッチーなサビが良いです。が! ケイティ・ペリーに似すぎている気もする。

15. Travie Mccoy / Billionaire (Feat. Bruno Mars) (2010) ★★★

ブルーノ・マーズがフィーチャーされた曲、2曲目であります。この曲はボーカル部が長く、しかも「I wanna be a billionaire, so fucking bad」で始まる歌詞のインパクトも強いので、もう完全にラップの方が脇役になっています。てゆうか、最初ラジオで聴いたとき、まさかラッパーメインの曲とは思わなんだ。

ちなみに、この曲も、1位のトレインの「Hey, Soul Sister」やジェイソン・ムラーズ「I'm Yours」と同じく、ちょっとレゲエ入ったアコースティックなさわやか泣きナンバー。歌詞は好き嫌い分かれるでしょうし、ぼくはあまり好きじゃないですが、ブルーノ・マーズのボーカルの存在感は認めざるを得ません。ラップ? 印象残らん。

16. Justin Bieber / Baby (2010) ★★★

人気爆発、話題のポップR&B系ティーン・シンガーのヒット曲。人気と同じぐらいバッシングもされているジャスティン君ですが、まあ、バッシングというのも大人げないんじゃないかと、外野は思ってしまいます。

この曲のリリース時、ジャスティン君は15歳で、声が幼く、美しい。パンチには欠けますが、このサビの透明感に全世界のショタコンが感涙にむせぶのは当然の摂理だと思います。ハイ。

17. Katy Perry / Teenage Dream (2010) ★★★

ケイティー・ペリー2曲目。はっきりいってフツーのエレクトロ・ポップです。ケシャの「Your Love Is My Drug」の方がいい。ま、大した違いはありませんが。

18. Bruno Mars / Just The Way You Are (2010) ★★★

すでにフィーチャリングで2回登場しているブルーノ・マーズの本人のソロ曲です。ポップ、さわやか、ビートも軽快。ほんと良い曲…と言いたいところですが、サビがベタベタすぎて今いち乗り切れません。「君は君のままで素晴らしいよ」というストレートすぎる歌詞と合わせて、聴いている方の歯が浮いてしまいます。

19. Jason Derulo / In My Head (2009) ★★★

タイオ・クルーズと同じ路線の、ポップで軽いユーロダンス曲ですが…タイオ・クルーズほど響かないのはなぜ? ボーカルが普通すぎる?

20. Lady Gaga / Telephone (Feat. Beyonce) (2010) ★★★★★

2009年にブレイクしたレディー・ガガ、2010年は大爆発するかと思ったんですが、このチャートを見ると、20位が最高位と、「大爆発」とは行かなかったようです。

しかし曲は最高。マドンナ直系のダンスチューンですが、ガガ印はマドンナにはなかった「濃さ」があります。ビヨンセとのガチンコ勝負も強力。

また、ガガは歌詞も素晴らしく、男から別れ話を切り出されて「Stop callin', stop callin', I don't wanna think anymore / I left my hand and my heart on the dance floor」と歌い上げるのは、ダンスフロアの女王の強気とも取れるし、強気を装いつつ動揺しているとも取れます。シンプルな歌詞にそういったニュアンスをもぐりこませ、なおかつ曲として高揚感をもたらすガガは、本当に素晴らしいです。

21. Rihanna / Rude Boy (2010) ★★★

リアナ、おまえもか! ということで、ミッドテンポの思いっきりエレクトロ路線です。うーん、でも「アンブレラ」のような強烈なインパクトはここにはありませんね…。

22. Far East Movement / Like A G6 (2010) ★★★★★

ついに来た、本当のエレクトロ! いくらエレクトロ/ユーロ旋風が吹き荒れているといっても、ここまで純度の高いエレクトロがチャートを駆け上ったことはありませんでした。最高にカッコいい、素晴らしいです。アルバム聴いたらそれほどエレクトロじゃなかったけど…。

ちなみに、このグループはエイジアン・アメリカン(日系・中華系・韓国系・フィリピーノ)で、アジア系がこれだけ成功したというのも快挙。サビはDevという、これまたエレクトロ系女性シンガーで、この「ド・エレクトロ」なボーカルも(・∀・)イイ! 内容からっぽ、個性もからっぽ、だがそれがいい。

サビのオリジナルはDevの「Booty Bounce」の一節からの借用で、こっちもかなり良い、どエレクトロ。

23. Jason Derulo / Ridin' Solo (2010) ★★★★

ジェイソン・デルーロ、2曲目で、こちらは「In My Head」よりもだいぶR&B寄り。「早漏」と連呼するこの曲の方が印象に残ります。

24. Lady Gaga / Bad Romance (2009) ★★★★★

レディー・ガガの、現状での最高傑作。とオレは勝手に思っています。「オオオオオーオオオオーオー」というチャントから始まる、高揚感あふれるこのユーロ・トランス・ポップ曲は、オレが見に行ったライブではアンコールで演奏され、当然盛り上がりました。素晴らしい。さすがにちょっと飽きたけど。

25. Usher / Dj Got Us Fallin' In Love (Feat. Pitbull) (2010) ★★★

思いっきりユーロダンスな曲。「omg」よりはアッシャーの持ち味が出ているとは思うけど、まあ、別にアッシャーじゃなくてもいいかな、みたいな。

26. Mike Posner / Cooler Than Me (2010) ★★★

白人シンガーのエレクトロ・ポップ曲。ボーカルもサウンドもえらい薄味だけど、それが持ち味? 特にボーカルは、オートチューン全盛の中にあって、ちょっとハスキーな生声で、それが新しい…のか? とりあえず薄味。

27. Young Money / Bedrock (Featuring Lloyd) (201) ★★★★

電子音のバックながら、トラディショナルなヒップホップ/R&Bで、ちょっとほっとします。グループというよりは、リル・ウェイン率いる同名レーベルのショーケース的な、コラボレーション・ユニットのようです。もちろんぼくには誰が誰だか分かりません。

28. Kesha / Blah Blah Blah (Feat. 3Oh!3) (2010) ★★★

今回のケシャの曲では一番平凡な曲です。

29. Nelly / Just A Dream (2010) ★★★

中堅ラッパー、ネリーのソフト&メロウな曲です。スムースで心地よい。

30. Black Eyed Peas / I Gotta Feeling (2009) ★★★

まだ入ってたんか、この曲! 昨年度4位。

31. Jay-Z / Young Forever (2010) ★★★

重鎮Jay-Zのマイペースなリリース。ラヴァーズロック(レゲエ)っぽいサビのメロディだなと思っていたのですが、原曲はドイツのシンセポップ・グループ、Alphavilleの「Forever Young」だそうで。YouTubeで見ましたが、なるほど、アレンジ、メロディなど基本的に同じです。良い曲です。もっとも、原曲のメロディが良いだけという感じも…。いや、それをヒップホップの文脈に生き返らせたのは功績だとは思いますが。

32. Timbaland / Carry Out (Feat. Justin Timberlake) (2009) ★★★

90年代半ばにアリーヤのプロデューサーとしてティンバランドがブレイクしたとき、その異能すぎるサウンドから一過性の流行かと思ったものですが、未だに一線とはすごいですね。…とはいえ、この曲は薄味であんまり印象に残らない。

33. Lady Gaga / Alejandro (2010) ★★★★★

レディ・ガガの、ABBAへのトリビュートとも言える一曲。ABBAの「フェルナンド」がインスピレーションかな? しかし、インスピレーションというだけで、曲としては全然違う曲であり、見事にレディー・ガガのゴシック耽美的な世界に昇華している一方、ABBAの影も垣間見えるという大変奥深い味わいのある傑作。

34. Flo Rida / Club Can't Handle Me (2010) ★★★

出た、世界一節操のないラッパー、フロー・ライダー! 今回は思いっきりユーロポップになっていて、ここまで魂を売れるというのは逆に清々しい。皮肉でもなんでもなく、本当に感心しています。ちょっとBEP「I Gotta Feeling」テイストが入っているのがマイナスポイント。

35. La Roux / Bulletproof (2010) ★★★

イギリスのエレポップ・デュオの曲。思いっきり80年代なシンセポップですが、ここまで行くと理解不能というか、ケシャやレディ・ガガは、R&Bのテイストやクラブミュージックのテイストが入っているから分かるけど、La Rouxはそういうのもない純粋なエレポップで、なぜこれがアメリカで売れるのか、すごい時代になったものです。

36. Kesha / Take It Off (2010) ★★★

ケシャ4曲目。今回入賞したケシャの曲ではもっともエレクトロ色が強く、サビメロも印象に残って良いんですが、ケシャならではの味が薄いのが残念。

37. Script / Breakeven (2008) ★★★

ダブリンのロックバンドらしい。ちょくちょくイギリスやアイルランドのミュージシャンがチャートインするのが近年のアメリカのチャートの特徴でしょうか。このバンドは、言われなければアメリカのバンドと思ってしまいそうです。悪くない曲です。頭に残らないけど。

38. Jay-Z / Empire State Of Mind (Feat. Alicia Keys) (2010) ★★★★

ジェイZ、2曲目。ニューヨーク讃歌で、アリシア・キーズのサビの歌唱の艶やかさが良いです。全体としてはいつもながらの安定したジェイZ。

39. B.O.B / Magic (Feat Rivers Cuomo) (2010) ★★★

ポップ系ロックシンガーとラッパーの共演というと、ロックシンガーの8ビートの乗りと、ラップの16ビートの折り合いをどう付けるかというのが問題となり、日本の例ですが、スチャダラオザケンはなんとか成功したものの、スチャダラカエラはどうもつまらない出来になっていました。で、ウィーザーのリヴァース・クオモと組んだこの曲ですが、サビのあざといまでのキャッチーさに救われているという気がします。ていうか、クオモも良くこんなシゴト引き受けたな。けっこうシゴト選ばない人ね。

40. Adam Lambert / Whataya Want From Me (2010) ★★★

アメリカン・アイドル出身のロック・シンガーの曲。自己陶酔一歩手前の泣きのメロディに引きそうになりましたが、この人、ゲイだそうで、ゲイのミュージシャンに甘いオレとしては、ゲイならこのナルシスティック&ドラマチックな感じも良いかも、と思い直しました。

41. 3Oh!3 / My First Kiss (Feat. Kesha) (2010) ★★★★

去年も「Don't Trust Me」を11位に入賞させていたアホっぽいアメリカン・エレクトロ・ポップ・デュオの3Oh!3。オレは「Don't Trust Me」は好きになれなかったですが、この曲は(・∀・)イイ! 何がいいって、ゲスト参加しているケシャのエロだらしないボーカルが(・∀・)イイ! 曲全体もデリカシーのかけらもない、知性ゼロの馬鹿丸出しな感じで、素晴らしいですね。

42. Taylor Swift / Mine (2010) ★★★

乙女な女子に根強い人気を誇るカントリー・ポップ・シンガー、テイラー・スウィフト。いつものポップさ、悪くないですね。あまり印象にも残らないけど。

43. Dj Khaled / All I Do Is Win (Feat. T-Pain, Ludacris, Snoop Dogg, Rick Ross) (2010) ★★★

パレスチナ系アメリカ人DJの曲ということで、アラブ色があるのかと思いきや、そういう色は何もないですね。普通の、シンセでマッチョなヒップホップR&B。

44. Iyaz / Replay (2009) ★★★

去年も50位、今年44位というしぶといロングセラーのオートチューン系ラガR&B。別に印象に残る曲でもない。

45. Drake / Find Your Love (2010) ★★★

Young Money一派の、カナダ人シンガー/俳優…だそうです。ボーカルはソフトで、この一曲だけだとあまり印象に残らないっすね…。

46. Taylor Swift / Today Was A Fairytale (2010) ★★

バレンタイン・オムニバスの一曲ということで、テイラー・スウィフトのスイーツな側面が炸裂しています。「貴方は王子様」とか「魔法を感じた」とか「今日はおとぎ話みたいだった」とか、もうスイーツもいい加減にしてくれと思う…けど、嫌味はないし、乙女専用音楽として良いんじゃないでしょうか。

47. One Republic / All The Right Moves (2009) ★★★

バラード中心のロックバンドでありながら、今もっとも「ヒップホップで使われそうなサビメロ」を紡ぎ出すグループの、これまた泣き100%のバラード。悪くないです。

48. Trey Songz / Bottoms Up (2010) ★★★

トレイ・ソングスのボーカルは線が細いんですが、この曲は何となく印象に残ります。アルコール讃歌とも言える曲ですが、あくまでクリーンでクールなのが現代的というか。中間部に来る、Young Money一派の女性ラッパー、ニッキー・ミナージュの「Fucker! Fucker!」と連呼するラップがインパクトあります。

49. Owl City / Fireflies (2009) ★★★

昨年34位だった、ソフトなエレポップ曲。なぜ売れたのか良く分からない曲の一つです。

50. Michael Buble / Haven't Met You Yet (2009) ★★★

最後はこれまた、オレには良く分からないジャンルのシンガーが来ました。ジャズのバックグラウンドがあるらしいけど、どちらかというと、ポピュラー系? とはいえ、もちろん、もろポピュラー系の曲がチャートインするわけもなく、この曲は70年代AOR、ソフトロック系のサウンドです。ビリー・ジョエルにも似ている? ボーカルはクルーナーというほどクルーナーでもなく、ロックバンドにもいそうな性質で、評価に困ります。少なくともこの一曲じゃわからんです。

わからん、で締めるのもなんですが、以上で筆を置かせていただきます。