パット・メセニーについて
Pat Metheny
パット・メセニー (8/12/1954-)
::jazz::
【概観】
ボーダーの長袖シャツをこよなく愛するフュージョン・ギタリスト。発音は「メシーニー」の方が近いかも? おそらく間違いなく現役のジャズ系ギタリストのなかでもっともビッグネームであろうこのひと、オレ個人的には微妙な位置付けです。というのも、何度か当「音盤メモ」でも述べている通り、オレはフュージョンは割と苦手、特にニューエイジ風味が入るととたんに身体が拒絶してしまう体質なんですが、パット・メセニーの活動のうち、パット・メセニー・グループでの「ブラジリアン・スムース・ジャズ」はオレにはかなり厳しいです。一方、メセニーのソロ名義での活動やパット・メセニー・トリオなんかでの活動は好き。ハード・バップの伝統を感じさせるものから、フリージャズまで、好きなようにはじけているんで。
そう、メセニーはスムース・ジャズ/フュージョン・ギタリストのイメージが強いけれども、同時に前衛ジャズやフリー・ジャズを愛することでも知られていて、デレク・ベイリーと共演して不評を買ったりしています。そのあたりの空回りっぽい感じも好感持てます。やっぱり人間、当たって砕けなきゃ。
「御三家」の中では、「引き」と「ため」の王者、ジョン・スコフィールドや、前衛的ともいえるビル・フリゼールに対し、おしげもなくテクをひけらかす(というと言葉が悪いですが)王道フュージョン・ギタリスト、メセニー。もっとも「ギター小僧」にとって分かりやすい存在と言え、その分かりやすさがときに疎ましく感じられたりもしますが、でもオレは基本的にはテクい演奏者は好きなので、気になる存在ではあります。
(12/8/2007)