Infinity Within ★★

Infinity Within (Eco Pack)

Deee-Lite / Infinity Within

::★★::1992::Elektra::club::house::techno::lounge::breaks::
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クラブ音楽(およびクラブ外音楽)の「クロスオーバー」の動きはディー・ライトのデビュー作がでた1990年以降、急速に収束していき、ヒップホップはヒップホップ、テクノはテクノ、ハウスはハウスと、専門化がすすみ、「ミクスチャー・ロック」もしぼんでいきました。そして「混沌」をよしとする時代から「クォリティー」がもとめられる時代となっていったわけです。そうなると自然と求道的な姿勢が評価されるようになり、それが専門化へとつながるわけです。そんな中、「クロスオーバー」のバランスのうえに絶妙に立っていたディー・ライトの居場所もなくなりつつありました。このセカンドは、(1)環境問題やセーフ・セックスといったメッセージ性、(2)マスターズ・アット・ワークの流れをふまえたハウス・サウンドの洗練、(3)同時にロックも視野にいれた幅の広さ、この三点が明確にうちだされましたが、特に(1)と(3)のポイントはディー・ライトの本来の魅力である良い意味での「軽さ」をそこなってしまい、内容的にもセールス的にも成功しませんでした。このアルバムで魅力的なのは結局テイ・トウワのキッチュなセンスが前面にでた「プシーキャット・ミャウ」のようなラウンジ系テクノ/ハウス曲のみでした。テイ・トウワはこれ以降、グループと距離を置くようになります。 (09/27/00, 16:58:09 (JST))