Straight From The Heart ★★★★★

Straight From the Heart

Ann Peebles / Straight From The Heart

::★★★★★::1971b::Hi::soul::r&b::
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アン・ピーブルズの代表作。ぼくは以前は前作「Part Time Love」のストレートさの方が好きだったんですが、本アルバムの深みを知ると、やはりこっちの方が良いなと思います。パワーで押していた前作に比べ、こちらはよりブルージーでヘヴィな曲が増えています。ハイの重量リズムに乗ってハスキーでパワフルなボーカルを聴かせるtr1「Slipped, Tripped And Fell In Love」は、前作の「Part Time Lover」と同様の出だしですが、こちらの方がより迫力があります。また、夫ドン・ブライアントとの共作tr2「Trouble, Heartaches And Sadness」では、終わった恋の哀しさを苦味とともに歌いあげており、こういった表現の深さは前作にはなかったところです。スローでは、これまたオリジナル曲のtr7「I've Been There Before」がまた良い! 一方、カバー曲はブルージーなものが増え、tr6「I Feel Like Breaking Up Somebody's Home」やtr8「I Pity The Fool」あたり、非常に渋い。特に「馬鹿は哀れね」と歌う後者が静かな迫力があってぞくぞくします。ラストのサム&デイヴの「I Take What I Want」は、このアルバムで一番ファンキーで、わりに重い曲の多い本アルバムをさらりと締めています。ハイの演奏陣も簡潔にして必要十分で、オリジナルにも匹敵する出来です。名盤! (11/24/03)