Jump On It! ★★★

Jump on It

Montrose / Jump On It!

::★★★::1976::Warner::pop::rock::
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ロニー・モントローズ(g)率いるカリフォルニアのハードロック・バンドの4枚目にして実質ラストアルバム。ぼくは2枚目と3枚目を聴いてないので、音的な変遷についてはなんともいえないのですが、この4作目とデビュー作を比較するに、なんというか、いやはや変われば変わるものだと思わず感慨にふけってしまいますね、悪い意味で。モントローズのファースト・アルバムというのはほんとうに馬鹿馬鹿しくも素晴しいハードロック・アルバムでして、骨太のギターにワイルドなボーカル(サミー・ヘイガー)に、ブギー調のひたすらシンプルなロケンロールという、何のギミックもないパンチのある作品だったわけです。それに比べ、このアルバムは音がもっとマイルドになり、バラードなどもおりまぜてあるわけですが、かつての岩のようにハードなモントローズ・サウンドはどこへやら。数多いる70年代B級アメリカン・ハードロックになりさがっています。てゆうか、おいコラ、古臭いんだよ! モントローズのデビュー作が今聴いても新鮮なのと好対照。二年後にデビューするヴァン・ヘイレンモントローズのファーストをリフレッシュしたようなサウンドだったことを考えると本作のモントローズの方向性がアカンのはあきらかですねぃ。新ボーカリストもしょぼい。と、ひとしきり文句言ったところで、70年代/80年代のヌルいアメリカン・ハードロックとして聴くと、まあ、B級なりの良さもあります。タイトル曲なんて、ほんとうにダサくて、日本でも公開されなかったような70年代クズ青春コメディー映画の主題歌にぴったりな雰囲気がおかしくやがて哀しき。そういうおもしろさはありま(実はこの曲けっこう気に入ってます)す。tr7「Crazy For You」とか、ブルー・オイスター・カルトみたいな雰囲気のメロウなハードロックで悪くないし、全体に曲自体はそんなにヒドくない。アメリカン商業ロックのマニアの方はどうぞ。 (4/2/03)