(Live concert @Paradise Rock Cafe, Boston, Massachusetts, 8/10/2001, $25) ★★★

Bebel Gilberto / (Live concert @Paradise Rock Cafe, Boston, Massachusetts, 8/10/2001, $25)

::★★★::2001::(Live)::brazil::club::pop::rock::

ええと、ライブの感想もちょっとたまっちゃっているのでありますが、少しずつ消化して行きたいと思うなり。それはともかくベベウ・ジルベルト。ボサ・ノーヴァ最高のシンガー、ジョアン・ジルベルトの娘、ベベウは、ファーストアルバムを出したのは去年とはいえ、NYCでの活動歴はすでに10年近いようで、チケットも新人にしてはちょっと高めの25ドル(高いのはハコのせいかも)。アルバムではダークでダウナーだっただけにライブではどんな風にするのか興味もたれるところでした。

バックミュージシャンは、ドラム、ギター、管楽器、キーボードの4人編成(ギタリストは日本人だった)。いずれも達者なミュージシャンで、特に、ファンキーなドラムと、サンプリングからムーグからハモンドからアシッドなビコビコサウンドまで手堅くくりだすキーボードが耳をひきました。ベベウは小柄な女性で、静と動をもちあわせたパフォーマンス。写真より魅力的な女性でありました。

客席はいっぱいで、かなり盛り上がっていましたが、マイペースにアルバム同様内向的なアプローチ。じわじわと内面から燃える感じで、以前みたヴィニシウス・カントゥアリアのライブをほうふつとさせました(あそこまで実験的ではありませんが)。曲はアルバムからの曲が中心だったが、新曲もかなり演奏していて、新作の発表もそう遠くないと思わせました。既発アルバムからの曲は打ち込みも多様していたのですが、生ドラムとの親和性はうまくいっていて違和感がありませんでした。残念ながらボサ・ノーヴァの往年の名曲のカバーは、アルバムにはいっていた「夏のサンバ」ぐらいしか演奏しなかった(ように思います)。最後の方の数曲は盛り上がりを考えて外向的にファンキーなアレンジの曲を固めて、そうするとどうしてもアシッド・ジャズ風になるのですが、それもバランス的には良かったように思います。

ベベウのボーカルは、カリスマ性を感じさせるほどではありませんでしたが、中低音域を中心に常に落ち着いたトーンで好ましいものでした。動も静もバランスよくとても楽しめるコンサートでありました。 (8/15/01)