Groove Elation ★★★★★

Groove Elation

John Scofield / Groove Elation

::★★★★★::1995::Blue Note::jazz::
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■ 至福のぬるま湯ソウルジャズ・グルーヴ

このアルバム、ジャケは最悪だけど、内容は最高! とはいえ、派手さは全然なくて、逆に、ほんと、レイドバックの極みといった内容。テンポはスロー、決して熱くならず、でもどこか暖かい、ゆる〜いグルーヴ。全体にソウルジャズっぽい曲が多くて、オルガンのラリー・ゴールディングズという人がかなりフィーチャーされています。ジョンスコは全体的に控えめなんですよね。しゃしゃりでない。でもスルメ的味わいを出している。この人の音色というのは普通のジャズギターの基準からすると微妙に歪んだ音で、でもちろんテクニックもあるから、そうなると「爆裂ギターソロ!」を期待したくなるところなんだけど、このアルバムでは超抑えていて、その抑え方、じらし方、ため方がなんというかブルージーなんですよねぇ。フレージングはジャズなんだけど、ブルージー。で、テクに溺れない。たとえば4曲目「Kool」の阿呆みたいにシンプルなリフ。「ッタッタッター(上がる)‥‥ッタッタッター(下がる)」って、誰でも弾けるフレーズ。それがなぜかカッコいい。なんでだー! もっと弾けるくせにあえて弾かないというところにじれったい快感を感じざるを得ません。ということでひじょーに良い作品。だら〜っとしていて。 (2/12/03)