Live concert at なんばHatch, Osaka, 11/27/2009, 4000円 ★★★★

木村カエラ / (Live concert at なんばHatch, Osaka, 11/27/2009, 4000円 )

::★★★★::2009::--::pop::rock::jp::

■ シンプルで飾り気のない、いつものカエラ

f:id:ghostlawns:20091127211744j:image

「いつもの」といっても、カエラのライブに来るのは初めてなのですが。でも、CDの特典映像などで、ライブの模様を観ているので初めてな感じがしません。てゆうか、ほんと予想通りの飾り気のなさ! 良くも悪くも!

まず、ステージ衣装はいつも通り。Tシャツに紫の長パンツ。ステージセットは特別なものはなし。バンドは、カエラの他に、g, b, dr, keyという最小限編成。あとはひたすら曲を実直に、きまじめに演奏するだけ。ギミックなし。潔いといえば潔い。

しかしそのシンプルさでも、2時間に及ぶライブに飽きがこなかったのはすごいことです。曲は新譜「Hocus Pocus」からの曲が中心でしたが、新譜の出来が良かっただけに、過去の曲が網羅されていなくてもそれほど不満に思いませんでした。てか、基本的に曲がいいですね。ボーカルも、セカンドのころのツアーの映像に比べると格段にうまくなっていて、その分、野太いワイルドな感じが減って残念でしたが、安定感があって素晴らしかったです。

曲はアップテンポで始まって、中盤に最初のヤマである「You」が来ました。これにはぐっときましたが、会場はあまり盛り上がってなかったような。なんで?! 「Butterfly」はそこそこの盛り上がりでしたが、わりにあっさりしていました。てか、もうちょっと演出というか盛り上げ方があざとくても良かった気がする。基本的に全体にあっさりしすぎているんだよね。まあ、「みんなでもりあがろうぜぃぃ!」的な予定調和なノリを拒否していると言えないこともありませんが。

それでも、最後の「Jasper」「BANZAI!」の二連発はちょう盛り上がりました。てか、これらの打ち込み系の、メロディーラインが平坦な曲は、ライブで盛り上がるのかどうか心配でしたが、ライブ向けのアレンジがたいへん良く、ぐいぐいとひきこまれました。そして極めつけはやっぱり、アンコールのラストの曲、「Magic Music」ですね。ぼくがカエラにはまるようになったきっかけの曲ですが、やっぱ盛り上がるわ〜。「たかく〜たかく〜じゃんぷ〜し〜て〜」で、ジャンプしまくりましたよ、40過ぎて!

ちなみに、今回のツアーはライブハウスツアーということで、会場も1階はオールスタンディングだったんですが、高齢の我々は遠慮してフロア最後方で鑑賞しました。それもあって、ちょっと冷静に演奏も観ていたんですが、バンドはたいへんうまかったと思います。しかし、「ギミックなしでシンプルに演奏だけで魅せる!」のなら、もうちょっとプラスアルファが欲しかったという欲張りな思いもいたしました。「リハみっちりやって来ました」という演奏を超えた、「うぉぉぉ!理性が飛んで行く!」ぐらいの演奏が聴けたら、と。冷静に分析すると、ちょっとギターに物足りなさを感じました。あのギターの人は大変達者で、少人数の演奏を過不足なく支えていたと思いますが、パワーコードでガンガンやるタイプのギタリストではなかったように思いました。実際、コーラスなどのエフェクターを強く書けたクリアーで細やかなギターの方に、より持ち味が出ていたと思います。しかし問題は、現段階でのカエラの曲はやはりパワーコード・ガシガシのパワーポップが多い訳で、それだけに、優等生すぎるギターには少々食い足りなさが。一方、ドラムの人はけっこう良かったですね。バカテクという感じでもなかったですが、オープンリムショットが効果的で、タイトなプレイでしたね。本来は打ち込みだった「Jasper」と「BANZAI!」の生演奏での盛り上がりはドラムのプレイに負うところが大きかったと思います。

とまれ、全体には楽しめました。でももう少しギミックのあるライブも観たいな。

ちなみに、観客は20代前半とおぼしき女性がたいへん多く、会うんじゃないかと思ったらやっぱり学生がいて声かけられました。ははは…。

(12/1/2009)