Special One ★★★★

Special One
Special One

Cheap Trick / Special One

::★★★★::2003::Big3::pop::rock::
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■ 久々のスタジオ盤 肩の力が抜けた好作品

6年ぶり、14枚目のスタジオアルバム。無理にスタジオアルバムを録音するのを止め、ライブ活動で初心と活気を取り戻したチープ・トリックの久々のスタジオ録音です。

このアルバム、AMG(現時点で★★半の評価)を初め、「期待されるチープ・トリックらしさを求めて力みすぎている」と酷評する向きもあるんですが、そんなに悪いアルバムかなあ。むしろ、リスナーの方が「久々のチープ・トリック」ということで力みすぎたんじゃないの? オレはこのアルバムは発売時には聴かなかったので、後でこのアルバムを聴いたんだけど、そんなに力みは感じられないけど。むしろリラックスしているように感じられます。逆に前作「Cheap Trick」のころはバンドも力んでいたと思う。なんせ、タイトルもジャケもデビュー作をあきらかに意識していたし、曲も無理にハードな「Anytime」をオープニングにすえて、力みがありありだった。しかし、このアルバムでは、オープニングの「Scent Of A Woman」は、大した曲ではないけれども、リラックスした雰囲気の曲だし、続くスローバラードの佳曲「Too Much」、そして、同じくバラードで、ドラマチックな「Special One」と、わりに肩の力が抜けている気がします。また, このtr3「Special One」, tr4「Pop Drone」, tr6「Words」あたりはオレ的には名曲認定。ぐっと来ます。前作の佳曲にはなかったパンチが戻っているのが良いです。

また、このアルバムは、ラストの、ノンストップ2曲「Low Life In High Heels」「Hummer」が独特でおもしろい。延々とおしころしたようなファンキーなリフが続くので、ちょっと戸惑ってしまいますが、新しい試みとしては悪くないというか、チープ・トリック的なブラックユーモアが感じられて楽しめますね。

というわけで、このアルバム、かなり好きです。ただ、かつての「一回聴いたら覚えられる」というぐらいキャッチーな曲がないのが残念なところ。(3/15/2007)