Cheap Trick (1997) ★★★

Cheap Trick

Cheap Trick / Cheap Trick (1997)

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■ デビュー作の「ラフ&ポップ」路線を復活させるという意気込みは半分ぐらいは成功

3年ぶり、13枚目のスタジオアルバム。

80年代から90年代の長きに渡って低迷に低迷を重ねたチープ・トリックですが、メジャーとの契約を断たれ、インディーから出したこのアルバムで心機一転を計ります。デビュー20周年にして、デビュー作と同じくバンド名をアルバムタイトルに据え、ジャケも白黒。「初心にもどるでぇ」という心意気を感じます。おまけのシングルCDでスティーブ・アルビノにプロデュースしてもらってるのはやりすぎだと思うけど(アルビノが大のチープ・トリック・ファンだったから実現したんだと思う)。今回は外部ライターの曲も最小限。

で、その出来やいかに?! ということですが、復活までもう少し!という感じでしょうか。つーか、今、時代はいったいいつ?ってぐらい70年代のチープ・トリックしてます。特にtr3「Carnival Game」とtr8「Say Goodbye」あたり、全盛期に劣らないクォリティーのメロウさとポップさ。いやあ、長い道のりでした。メロウでポップであるということはこんなにも難しいことだったのですね。ちなみに、YouTubeに、「Carnival Game」の演奏の映像がありましたのでリンクしておきます。昔に比べると枯れていますが、良い枯れ方で、あと、演奏力が「At Budokan」のころにくらべるとはるかに向上しているのにもびっくり。うまいバンドになったなあ。

Cheap Trick / Carnival Game (YouTube)

さて、このアルバムに問題があるとすれば、今いちな曲が数曲あることです(tr1「Anytime」、tr6「Baby No More」、tr10「Eight Miles Low」あたり)。他の曲は良いのだけど、この欠点をカバーする華やかさがないのよね。特に、アルバム1曲目が地味かつヘヴィーなので、アルバムの印象がかなり悪くなってます。あと、新しい要素がひとつ欲しいのと、パンチのある、一発で覚えられるようなキャッチーな曲が欲しいところ。それがあればかなり良かったです。(3/15/2007)