Beck-Ola ★★★

Beck-Ola (Exp)

Jeff Beck Group / Beck-Ola

::★★★::1969::Epic::pop::rock::
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■ シンプルでよりハードロックに徹しているのが良い…けど短い

まず初めに申し添えておきますと、このアルバムはAMGで★★★★1/2が付けられているいわゆる一つの名盤であります。★★★なのはオレの個人的好みです。

基本的に前作「Truth」の延長線上にある本作。実は前作より好き。前作よりシンプルで統一感があるんだよね。ジャケには「こんにちの音楽界での激しい競争の元ではまったく独自のものを作り出すのはほとんど不可能だ。よって我々もまったく独自のものは作り上げてはいない。しかし、本盤はHeavy Musicたることに特に重きをおいて制作された」という有名(らしい)な言葉が書かれています。だから、とことんシンプルに、ハードなロックが叩き付けられます。前作の「Ol' Man River」や「Greensleeves」のような寄り道は一切なし。静かなナンバーもニッキー・ホプキンスのピアノ曲tr3「Girl From Mill Valley」のみ。あとは全曲ハードでブルージーなロケンロールだぜ!

ただね、短いですよ。全7曲合わせて30分しかないじゃん! しかもそのたった30分の中で、前述したtr3「Girl From Mill Valley」はなんとなく捨て曲っぽいし、プレスリーのtr4「Jailhouse Rock」も特に良いとも言えない。70分で2曲捨て曲ならまだしも、30分の中で2曲捨て曲なんて納得いかねー。「独自のもの作るのって実質無理じゃん?」という開き直り宣言も微妙…。ツェッペリンぽいtr2「Spanish Boots」やtr7「Rice Pudding」には、ベックの「こういうヘヴィー・ブルーズはオレが元祖だ!」という意地が感じられて頼もしいのだけど、ツェッペリンはそのキャリアで常に「独自の音楽」を推進しつづけたことを考えると、やっぱりベックの旗色が悪いというか…。

とはいえ、tr3「Girl From Mill Valley」とtr4「Jailhouse Rock」以外の5曲は文句無しのハードロックの名曲ばかり。特にオレはtr5「Plynth」が好きなのよね〜。ファンキーなドラムが最高!!(3/6/07)

[追記 1/31/07]iTS USのはボーナストラック4曲入り。