ジェフ・ベックについて

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Jeff Beck

ジェフ・ベック (6/24/1944年生)
genre: pop/rock

写真は第2期ジェフ・ベック・グループ。上段左上から反時計回りに、ジェフ・ベック(g)、ボブ・テンチ(vo,g)、ジェフ・ベック似なコージー・パウエル(dr)、マックス・ミドルトン(key)、クライヴ・チェイマン(b)。

【概観】

ジェフ・ベックは、同期のジミー・ペイジレッド・ツェッペリン)、エリック・クラプトンジミ・ヘンドリックスと並ぶロック・ギタリスト四天王の一人に数えられる偉大なギタリストでありまして、特にプレイの革新性と天才性という点ではジミ・ヘンドリックスと並ぶほど突出したプレイヤーであります。

しかしその一方で、この四天王の中ではもっとも商業的成功から遠い人であります。とはいえ、もちろん全く商業的に成功していないわけではなく、代表作の「Blow By Blow」(1975)はビルボードで4位まで昇っています。しかし、ジェフ・ベックのリーダー・アルバムでビルボードのTop 10に入ったのはなんとこのアルバムだけで、あとは、ジェフ・ベック・グループの1枚目、2枚目、4枚目、ソロ作「Wired」(1976)、そしてベック・ボガート&アピスのアルバムがビルボード20位以内に入っているぐらいです。

もちろん、並みのアーティストとしてはこれだけ売れれば万々歳ですが、ロックギター四天王の他の人たちはこんなもんじゃない。ジミ・ヘンドリックスは生前に発表した4枚のアルバムすべてがビルボードTop 5に入っている(うちナンバーワンが1枚)し、ジミー・ペイジ率いるレッド・ツェッペリンは解散までの8枚のスタジオアルバムのうち6枚がビルボード・ナンバーワンに輝いている(残りは10位と2位)し、エリック・クラプトンに関しては、クリーム時代、ブラインド・フェイス時代にビルボード・ナンバーワン・アルバムを出しているほか、ソロでもナンバーワン数度、Top 10ヒットまで広げると10枚近くになります。対するジェフ・ベックにはTop 10が1枚しかないなんて寂しいじゃありませんか。

しかしそれも致しかたない部分もありまして。というのも、ジェフ・ベックはあまり音楽に執着しない人なんですよね。気まぐれで、作曲やプロデュースも「他人にやってもらうのでもいいよ」って感じだし、音楽より趣味の車にのめり込んで何年もアルバム出さなかったり。ギタリストとしては大したことのないジミー・ペイジ(失礼)が音楽に凝り固まってレッド・ツェッペリンというモンスターを生み出したのとは対照的というか、実にあっさりしたものです。

まあ、その「軽さ」が良いんだと思いますけどね。

【活動】

  • 60年代後半 ヤードバーズの2代目ギタリスト(エリック・クラプトンの後釜)
  • 1968-70年 第1期ジェフ・ベック・グループ。ボーカルに新進のロッド・スチュワート、ベースにロン・ウッド、ピアノにニッキー・ホプキンズという今から考えるとスター・グループ。ファンの間で人気の高い時期。
  • 1970年 ヴァニラ・ファッジのカーマイン・アピス(dr)とティム・ボガート(b)とトリオ結成しようとするも、ベックが自動車事故で重傷を負ったため頓挫。
  • 1971-72年 第2期ジェフ・ベック・グループ。全員新メンバー。コージー・パウエル(dr)、マックス・ミドルトン(key)など。評価が分かれる時期。
  • 1973-74年 念願のベック・ボガート&アピス始動。しかしスタジオアルバム1枚でベックが投げ出す。
  • 1975-80年 いきなりジャズ・ロックに変貌。ボーカル無しのスタジオアルバムを3枚発表。特に最初の2枚は大きな成功をおさめた。
  • 1980年代 ボーカル入りのソロアルバム1枚、インストアルバム1枚発表。あまりぱっとせず。
  • その後10年沈黙。1999年に復活。エレクトロニカを大胆に取り入れた新しいサウンドで、老いてますますとんがっています。

(3/6/07)