Mob Rules ★★★
Black Sabbath / Mob Rules
::★★★::1981::Warner::pop::rock::
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■ ディオ参加最後のスタジオ盤 サバスというより後のDioに近いか
前作「Heaven and Hell」に続くロニー・ジェイムズ・ディオ参加のサバスのアルバム。しかし前作ほどにはヒットせず、サバスのディスコグラフィーの中でも地味なアルバムとなっています。
しかしですね、実はオレはこのアルバムが最初のサバス体験で、ほぼリアルタイムで聴いたんですよね。だからけっこう懐かしいというか、評価が甘くなってしまいます。
実際、2曲のアップテンポ・ナンバー(冒頭の「Turn Up The Light」とタイトルトラック「Mob Rules」)はすごくカッコいいし、伝統的なサバス節とディオのドラゴン・ファンタジー色が違和感なく融合した大作「The Sign of the Southern Cross」や「Falling Off the Edge of the World」はかなり聴きごたえがあります。他の曲も悪くはない。
けど、なんとなく焦点がさだまらない印象があるんですよねえ。「暴徒」をテーマにした「Mob Rules」をタイトルにしたのが失敗だったのかな。ジャケがエグすぎるし。そのわりに「Slipping Away」なんてえらいポップなロケンロールが入っていて、もうサバスだかなんだか…。
ちなみにこのアルバムは、オリジナルドラマーのビル・ウォードがいなくなって、ヴィニー・アピス(カーマイン・アピスの息子。のちにディオに引き抜かれる)に変わっているんですが、それも全然気付かないというか、オズボーン時代は「ビル・ウォード以外のドラムは考えられないだろ」と思っていたものですが、そういう「必然性」が薄くなっている時点でバンドとしてのマジックが消えていると言えるでしょうね。全体としてはディオが後に結成するDioにより近いサウンドと言えるかもしれない。
でも悪くはないです。個人的にはメタルアルバムは駄目っぽい方が好き。(1/16/07)