So Far ★★★

So Far

Alex Reece / So Far

::★★★::1996::4th & Broadway::club::d&b::
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このアルバムが出たころ、ぼくはジャジーなドラムンベースについて「安易だ」「腑抜けが!」などと批判的だったのですが、時間が経って自分の趣味が軟弱になったのか、それとも古いドラムンベースのショボい感じが今だからこそカッコいいという高見から見下ろす視点になっているからなのか、とにかく今はわりに抵抗なく聴けたりします。このアレックス・リースのアルバムも、軟弱アシッドジャズなシングルの「Candles」を聴いて当時は一気に興味をなくしたものですが、最近たまたま当該曲を含むこのアルバムが叩き売りされていたので買って聴いてみると、けっこう良い。「Candles」より渋めのtr1「Feel The Sunshine」に始まり、いかにもなタイトルのtr2「Jazz Master」に続く流れは、ジャジーだけどループ感覚がけっこう心地良い。また、tr5「Acid Lab」あたりは少しデトロイトテクノ的な雰囲気も漂っていて悪くないし、続く有名曲であるダークなtr6「Pulp Friction」(もともとは「Pulp Fiction」というタイトルだったけどなんで変わったんだろう)への流れは、アンチジャジーな感じで交換持てる。まあ、その後はtr7「Candles」、tr7「Ibiza」とおもいっきりアシッドジャズな雰囲気にまた戻るわけですが。全体としてはライトなドラムンベースで、そこそこダウナー、そこそこ軽快で、曲も良いし、楽しめるアルバムです。少々小粒で決め手には欠けるかもしれなけど。 (9/9/04)