The Beatles (White Album) ★★★★

The Beatles (The White Album)

The Beatles / The Beatles (White Album)

::★★★★::1968::Capitol::pop::rock::
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末期ビートルズの幕開け(?)を飾る2枚組。バンドとしてのまとまりよりも個々のバラバラの創作の寄せ集め的色合いが濃い作品であるということは何万回も指摘されているとおり。個人的にはあまり思い入れのある作品ではないのですが(って、他に思い入れのあるビートルズのアルバムがあるのかと問われると実に微妙ですが‥)、嫌いでもありません。特にジョン・レノンの曲が良いです。美しい「Dear Prudence」、ちょっとダークな「Glass Onion」、底抜けな「Everybody's Got Something To Hide Except For Me And My Monkey」、ブギーな「Revolution 1」あたりも好きなのですが、「ホワイトアルバム」といえば、やっぱり「The Continuing Story Of Bungalow Bill」と「Happiness Is A Warm Gun」、オノ・ヨーコの影が現実のものとなって現われたこの二曲でしょう。てゆうか、ぼく自身にとってはそう。特に後者は名曲す。って、後者の曲には別にオノ・ヨーコ参加してないか。でもなんとなく「ポスト・オノ」なレノンの曲って感じがするのよね。

さて、一方、ポール・マッカートニーはというと、童謡っぽい「オブラディ・オブラダ」と、ひたすら美しい弾き語り式の「Blackbird」、同様の「Mother Nature's Son」以外はあまりこれといったものはなくて、存在感が薄い気も。あ、冒頭の「Back In The USSR」もマッカトニー曲か。これも良し。「Birthday」も相当好きなんですが、これもマッカートニー曲なんでしょうか。レノンも歌ってるけど。

ということで、全体的には「なんか違うところに行ってしまった感」のあるレノンの方の印象が強いアルバムです。マッカートニーも「ヘルター・スケルター」で「違うところに行ってみました感」をかもしだそうとしているけど、「おまえ、それやけくそになっただけやろ、本心ちゃうやろ」とツッコミを入れたくなるような曲ではあります。そうそう、それからこのアルバムの別のハイライトはやはりジョージ・ハリソンエリック・クラプトンの「While My Guitar Gently Weeps」ですね。クラプトンのギターのカッコ良さにはティーネージャー時代のワタクシもぶっとびました。もはやビートルズの曲なんだかどうかよくわからない曲ですが。「Revolution 9」は逝ってよし。「Long, Long, Long」は貞子が出てきそうな曲だからイヤ。 (1/23/04)