The Best Of Sam & Dave ★★★★

Best of

Sam & Dave / The Best Of Sam & Dave

::★★★★::1969/1990::Atlantic::soul::
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60年代サザン・ソウルの名門レーベル、スタックスの爆裂デュオ、サム&デイヴのベスト盤。元々69年に出たものらしいですが、CDの方は70年代の曲も加えてたっぷり21曲収録されています。このアルバムはぼくがソウル・ミュージックを聴きはじめた比較的初期に体験したアルバムで、強い影響を受けました。とにかく、真に黒いファンキーさとは何かということを思い知らされたアルバムです。バックの演奏はブッカーT&MGズですが、そのシンプル極まりない演奏の中に、非常に微妙なニュアンスとして黒さやファンキーさが隠れているんですよね(で、ブッカーT&MGズの半分は白人だと知ってまたびっくり)。16ビートをシャカシャカやるのがファンキーじゃない、どっしりした8ビートの中に微妙に16のシンコペーションをおりまぜるのが真のファンキーさだとこのアルバムから学びましたです。特に「You Don't Know Like I know」にはシビれたなあ。8ビートの曲なのに、16ビートが聴こえてくるんですよ。スゴすぎ。ボーカル抜いてブッカーT&MGズのアルバムと思って聴いても遜色ないぐらいすばらしい。もちろん、高音のサムと中低音のデイヴの、漢と漢が汗を飛ばしてぶつかりあうボーカル・バトルもすばらしいの一言。曲的にも「Hold On I'm Comin'」「Soul Man」「You Got Me Hummin'」「I Thank You」「Wrap It Up」「Soul Sister Brown Sugar」など、アイザック・ヘイズ&デイヴィッド・ポーターのゴールデン・コンビのペンによる名曲がめじろおし。この2人の作曲能力のすごさにも舌を巻くばかりです。アイザック・ヘイズ先生、鎖のベストをまとってヘタな歌を聴かせたりサウス・パークで声優やっているだけじゃありません。天才作曲家でもあるわけです。「When Something Is Wrong With My Baby」や「Still Is The Night」のようなバラードも良し。捨て曲なしの濃すぎる一枚。通して聴くとちょっと疲れるかもー。 (1/4/04)