Scum ★★★★

Scum

Napalm Death / Scum

::★★★★::1987::Earache::pop::rock::
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常識をくつがえす高速ビートが特徴のいわゆる「グラインドコア」の始祖(のひとつ)、ナパーム・デスのデビュー作。基本的にはヘビーメタルとハードコア・パンクを融合して超高速にした音楽なのですが、とにかくビートが人間の耳では判別しがたいほど高速で、衝撃と笑いが同じぐらいの割合で襲ってきます。って本人らは1000%本気ですが。このアルバムはのちのアルバムに比べるとやはり荒く、ハードコア・パンク色が強いです。アルバムの出来としては次作の「From Enslavement To Obliteration」の方が良いのですが、こちらの方が最初に出たということで歴史的意義が高いでしょうね。演奏時間わずか1秒の伝説的楽曲「You Suffer (But Why?)」は必聴。必聴といっても1秒ですけど。他も「Polluted Minds」、「Sacrified」、「Deceiver」、「Divine Death」など良い曲がめじろおし。全28曲中、2分超える曲はわずか2曲。1分以下の曲は10曲以上。聴きとり不能のボーカルも笑えます。歌詞カードを見ながら聴くとおもしろさ倍増。だって歌詞はすげーヘヴィーなんだもん。一曲目「Multinational Corporations」の「Multi! -National! Corpo! -Rations! Genocide! Of The! Starving! Nations!」という絶叫に象徴されるように非常に左翼的、アナーキスト的な歌詞が続きます。でもほんとにこの歌詞歌ってんのか? いや、歌っているのですよ。発音的には「グワーグワグワグワーッ!」としか聴こえないとしても、魂が歌っているのです。‥てゆうか、そもそもあれは「歌」なのか? (9/5/03)