Reading, Writing, And Arithmetic ★★★★

Reading Writing & Arithmetic

The Sundays / Reading, Writing, And Arithmetic

::★★★★::1990::Rough Trade::pop::rock::
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サンデイズは非常に分かりやすい「ザ・スミスの子ども」であります。アルペジオを多様したギタープレイに、独特の呪術性をもったボーカルのメロディ、そしてどこか青臭い文学性など、非常にスミスらしい。ヒットした「Here's Where The Story Ends」なんかを聴いてもそれはあきらかです。スミスと違うのは、あまりロケンロール色がないところ、モリッシーのような毒のある攻撃性がないところ、ギターがより「透明感」を目指しているところなどがあげられるかもしれません。つまり、一言でいえば、スミスより穏健でつまらないということです。それでもこのアルバムが憎めないのはひとえにハリエット・ウィーラーの瑞々しいボーカルのおかげ。これとて、「ただのロリ声ボーカルじゃん!」と言われればそれまでだし、リアルタイムではぼくもそう思ってました。でも、歴史的観点からすると、このグループの影響というのはあなどれないわけで、イギリスのクランベリーズ、カーディガンズや、アメリカのシックス・ペンス・ナンザ・リッチャーにいたるまで、子供声女性ボーカルの系譜の一つの原点はここにあるわけです。そういう観点で聴くと、このアルバムにもなんだか重みがある気がしてくるから、不思議なものです。むしろいい加減と言ったほうがよいか。てゆうか、このアルバム、ほんとにシンプルな内容で、バンド演奏とはいえ、ほとんど弾き語りに近い。その飾り気のなさが好ましいものに思えてきます。はい。 (7/22/03)