Kamakiriad ★★★★

Kamakiriad

Donald Fagen / Kamakiriad

::★★★★::1993::Reprise::pop::rock::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

スティーリー・ダンドナルド・フェイゲンのソロ2作目。前作「Night Fly」(1982)と次作となるスティーリー・ダン名義の「Two Against Nature」(2000)にはさまれて(つーか、あいだ開きすぎ)、今いち評価の低いアルバムですが、個人的にはとても好きです。AMG評にも書いてありましたが、基本的にはスティーリー・ダン名義の次作「Two Against Nature」と同じ路線なんですよね。てゆうか、この「Kamakiriad」というアルバム自体、プロデュースがウォルター・ベッカーで演奏にも参加しているので、実質スティーリー・ダンのアルバムです。ということで、「Kamakiriad」と「Two Against Nature」はサウンドも曲も雰囲気も非常に似ています。で、ですね、ぼく自身はグラミー賞までとってしまった「Two Against Nature」よりこの「Kamakiriad」のほうがなぜか好きなんですよ。なんでか考えてみたんですけど、「Kamakiriad」のほうが微妙にレイドバックしているんですね。AMGの「Kamakiriad」評には、「ワンコードで押す曲が多くていまいち」とあったのですが、このシンプルさこそが「Kamakiriad」の魅力だと思うんですよね。実にレイドバックしている。変態的なところがあまりなく、日向ぼっこしながら呑気に聴きたい感じ。もちろん、そのわりに演奏は硬質で人工的なんで、そういった「陽性」のアルバムとしては今いちなりきってないとも言えるのかもしれませんが、でもまぁ、そこはドナルド・フェイゲンですから。だいたい、「ワンコードで押す曲が多い」といっても、フェイゲンですから、よく聴けばいろんなところにひねりが入っているしね。薄味なのは確かですが、それでも曲、コード進行、コーラス、みんな良質です。特に4曲目「Snowbound」、6曲目「Florida Room」、8曲目「Teahouse On The Tracks」あたり、なごみ&心地よいです。ナイスな作品。 (4/5/03)

[追記]iTS USのは一曲欠け。なぜ?(6/22/06)