Iron Maiden ★★★★★

Iron Maiden

Iron Maiden / Iron Maiden

::★★★★★::1980::EMI::pop::rock::
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名作でっす。アイアン・メイデンのデビュー作は間違いなくハード・ロックの傑作の一つであります。このアルバムが後のアイアン・メイデンのアルバムと違うところはやっぱりワイルドさですね。ギター、ドラム、ベース、すべての音が生々しく、ストレートに鳴っているし、楽曲もとにかく勢いがある。特にクライブ・バーのドラムの軽さと疾走感がパンクとメタルの中間ぐらいで良い。そして、このアルバムをメタル・ファン以外にもアピールすることに貢献しているのがポール・ディアノのボーカル。後のブルース・ディッキンソンが正統派のメタル・ボーカリストらしく、声の伸びを重視した「歌い上げビブラート」系ボーカリストだったのに対し、ディアノはパンキッシュでストリート臭がプンプン。歌い上げ型でなく、言葉を投げ出すタイプなんですね。だから、ギターのユニゾン・プレイといったアイアン・メイデンらしいヘヴィーメタルの様式が随所にみられるとは言え、全般としては非常にパンキッシュなアルバムとなっています。特に、冒頭の「Prowler」は名曲。メタルかパンクかなんてどうでもよくなる勢いとパンチがこの曲にはある。ちょっとプログレっぽい「オペラ座の怪人」なんかも、ディアノの塩っからいボーカルだとワイルドに聴こえるから不思議。他も捨て曲一切なしの名盤。後のアイアン・メイデンの「音楽的成熟」なんてクソくらえ! メイデンならこれを聴け! (3/16/03)