For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder? ★★★★★

The Pop Group / For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?

::★★★★★::1980::Rough Trade::pop::rock::
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パンク・シーンから派生したグループの中である意味最もブッ飛んでいて、かつ最も音楽的に黒かったのがこのザ・ポップ・グループ。ぼくは彼らの2作目にして実質ラスト・アルバムである本アルバムをリアル・タイムで聴いたわけでは全然ないのですが、それでも最初聴いたときはブッたまげました。しかも、もしかしたらこれがぼくが初めて聴いたファンク・アルバムかもしれない。とりあえず、一曲目「Forces Of Oppression」から衝撃的。ライブMCとおぼしきマーク・スチュワート(vo)の「Hate! You! Kill! You! Fuck! You!」というほとんど聞きとり不能な断末魔の叫びのような言葉の連続に続き、性急だがファンキーなベース、カミソリのようなドラム、ひしゃげたファンク・ギターのカッティングとなだれこんで行き、スチュワートの例の絶叫ボーカルへが切り込んできます。ファンクだけど縦ノリ。怒りの感情のみでファンクをやるとこうなると思われ。で、ぼくは名作といわれるデビュー作は聴いてないので比較はできないのですが、このアルバムはダブ色はそれほど強くなく、ファンク色が全体に強いです。tr4「Blind Faith」やtr6「Justice」は一曲目以上にファンクだし、特に「Justice」はかなりマトモにファンクしてます。一方、ダブ系の曲ではtr7「There Are No Spectators」があって、これがまた良い出来。ポップ・グループというとマーク・スチュワートのエキセントリックさが際だっているわけですが、リズム隊のカッコ良さは相当なものです。うまいかどうかは別にして、すげーカッコいい。音も。というわけで、今聴くと若いときおぼえたような衝撃は感じないですけど、それでもやっぱ良い作品であります。 (1/16/03)