Places And Spaces ★★★★

Places & Spaces

Donald Byrd / Places And Spaces

::★★★★::1975::Blue Note::pop::jazz::funk::
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ジャズファンの評価はおそらく最低ではないかと思われる、70年代中頃のドナルド・バード(tp)の作品のひとつ。このころのバードはニューソウル・ムーブメントの影響で、ソウル、ファンクに大きく接近しておりまして、ジャズファンから見ればまさにセルアウト。でも良いです。とりあえず、これがいわゆるアシッド・ジャズの直系の祖先であることは疑いありません。特にインコグニートあたりに近い。AMGには「マーヴィン・ゲイ+アース・ウィンド&ファイア」と書いてありますが(ちなみに★★☆という辛い評価)、まさにそのとおりっ! です。ベースがマーヴィン・ゲイの「I Want You」にも参加していたチャック・レイニーですしね。ファンキーな中にストリングスが舞う感じなど、70年代マーヴィン・ゲイっぽい。ストリングスを使ったファンクということではアース的とも言える。けど、やはりボーカルの落ち着いた雰囲気などからして、アースというよりはマーヴィン的と言いたい。「Changes」、のちに多くの人にサンプリングされまくったベースラインが印象的な「(Fallin' Like) Dominoes」、「Places And Spaces」、そして「You And The Music」などは、アシッド・ジャズ直系の古典的名曲と言えるでしょう。でも、ラスト二曲がしょぼいんだよな。でもアシッドジャズ好き、フリーソウル(←笑)好きな人は買いだっ! (7/1/03)