Cloud Nine ★★★

Cloud Nine

George Harrison / Cloud Nine

::★★★::1987::Dark Horse::pop::rock::
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自身のグループ、ELOはすでに「終わってた」ジェフ・リンですが、80年代には二人のベテラン・ミュージシャンを蘇生させるという良い仕事をしました。ひとりがロイ・オービソンで、もうひとりがこのジョージ・ハリスンです(よく考えたら両者とももう故人ですね‥合掌)。ジェフ・リンがビートルズ信者なのはELOの音楽から火を見るより明らかでしたが、このアルバムでいわば恩返しをしたというところでしょうか。ジェフ・リンの、特徴ありすぎる音づくりは好き嫌いがわかれるところでしょうが、ハリスンの適度なダウン・トゥ・アースさ(泥臭さ)が、リンの絢爛にすぎるポップサウンドをほどよく中和してます。今聴くとやはり80年代くさい音で、そのあたりはリンの功罪のうちの「罪」の部分に入ると思うし、同じ古臭さでも渋みをもって熟成したハリスンの70年代の代表作とはやはり比べられないと思いますが、この華やかでおしつけがましいサウンドプロダクション(とリンの愛!)が当時低迷していたハリスンを活性化させたのは確かでしょう。佳作。バラード「Someplace Else」は名曲だと思います。 (11/27/02)