Brother, Brother, Brother ★★★★

Brother Brother Brother

The Isley Brothers / Brother, Brother, Brother

::★★★★::1972::label::r&b::soul::pop::rock::
iTS US / iTS JP(→iTSについて

「3+3」で正式にバンド編成となって、70年代を代表するファンク・バンドとして黄金期を歩む、その直前のアルバム。もっともこのアルバムですでにのちのバンド編成となっているのですが。

で、内容ですが、これが実に清々しい好作品なのであります。もちろん、「Pop That Thang」のような、のちのファンク路線のねちっこいナンバーもありますが、このアルバムで耳を惹くのはアーニー・アイズリーのギターではなく、クリス・ジャスパーのピアノなのです。冒頭の「Brother, Brother」から、なんというか、ふわぁっと花が開いていくような、とても爽やかで気持ちのよいピアノなのであります。有名な、アシッドジャズの先駆けのような「Work To Do」も、ピアノが印象的です。ロナルド・アイズリーはキャロル・キングが大好きで、このアルバムでも、「Brother, Brother」「Keep On Walkin'」「It's Too Late」と三曲もカバーしているぐらいなのですが、キャロル・キングもピアノの弾き語りなわけで、そういう、シンガーソングライター的音楽の影響が色濃くでているわけですね。つくづくアイズリーズって、黒人音楽でも独特の、不思議な着眼点を持っているなあとしみじみ思います。

少々まとまりすぎているきらいもありますが、色褪せることのまったくない好盤であるのは確かです。あそうそう、もうひとつ、山下達郎シュガーベイブがこの時期のアイズリーズに強い影響を受けていたんですが、そういう観点で聴くのもおもしろいかもしれません。というか、ピアノの使いかたとか、ほとんどそのまんま。 (11/17/02)

[追記]iTS USのは1曲欠け。Fuck!