Mezzanine ★★★★★

Mezzanine

Massive Attack / Mezzanine

::★★★★★::1998::Virgin::club::trip hop::
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傑作。ぼくはマッシブ・アタックはファースト・アルバムからリアル・タイムで追って来たけど、個人的にはこのアルバムがダントツで好き。てゆうか、冒頭の「Angel」でガツーンと来ましたよ。不気味な、地を這うようなベース。静かなリズム。そのモノクロの地平の彼方から静かに立ちあがるホレース・アンディのボーカル。「君はぼくの天使だ‥」そういう甘い歌詞とは正反対に、サウンドはひたすら陰鬱。そして2分ほどたったところで突然激しく、そう雷雨のように降りそそぐギターサウンド。マッシヴ・アタックは、アルバムではここまでロック的な曲はなかっただけに、このロックっぽさに驚くとともに、動と静を見事に対比させた表現、そして、常連とはいえ、レゲエのボーカリストであるホレース・アンディをこういう文脈で使うことの斬新さに、ただ感嘆。で、このアルバムはこの気合いの入ったテンションのまま進みます。第二の聴きどころは、コクトー・ツインズのリズ・フレイザーの参加でしょう。前作のトレイシー・ソーン(エブリシング・バット・ザ・ガール)と同等の奇跡的なハマリぐあい。「Teardrop」「Black Milk」でのフレイザーの美しさは極立っております。そして、個人的な極めつけは「Group Four」。ヘヴィーながらも静かで単調な前半から、フレイザーのボーカルの存在感がほとんど宗教じみている後半へ突入。この怒涛の展開には圧倒されます。とにかくとんでもないアルバムです。 (5/21/03)