Blackadelic Blu ★★★★

Blackadelic-Blu

Jean-Paul Bourelly / Blackadelic Blu

::★★★★::1994::DIW::jazz::rock::
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限りなくロックに近いフォーマットでジャズを演奏する孤高の黒人ギタリスト、ジャンポール・ブレリーの4作目。もともと日本でのみ発売されてました(今でも?)。ブレリーの作品をちゃんとフォローしてるわけではないのですが、非常にラフな演奏だった1992年の「Trippin'」に比べると緻密になっています。また打ち込みも多用していて、ところどころラップもあり、ヒップホップの要素が垣間みれます。しかし、全体的なトーンはかなりダークというかダウナーですね。それは特に、アナーキー&フリーキーな前衛ロックであるtr2「Song Of Allah」あたりに顕著です。また、ヒップホップ・ビートの「Travellin' Across The Land」や、ファンキーかつジャズ寄りの「Sleepin' On The Giant」あたりもダウナーで、沈みこむようなビートと内省的なジャズ・ギターが心地良いです。一方、このアルバムのベスト・トラックである(とぼくが思う)ところの「(Gotta Have) Soul」は明るくてポジティブな、これまたヒップホップ系の曲です。全体に、ブレリーのギターは、たとえば「Trippin'」なんかと比べても明らかに控え目なんですが、控え目ゆえに、その「ディストーションかかったロックギター・サウンドなのにフレージングはジャズまるだし」のギターに耳をそばだてさせられますね。なんというか、爆発しそうで決して爆発しない、そういうじれったさがブレリーのギターにはあって、ぼくはそこが好きです。 (10/25/02)