Fever ★★★

Kylie Minogue / Fever

::★★★::2001::EMI::pop::rock::club::

iTS US / iTS JP（→iTSについて）

今度はアメリカでも無事発売されたカイリー巻き返し第二弾。「安っぽさを逆手にとった洗練」という基本路線を守りつつも、（イギリス、ヨーロッパでは）商業的にも成功した前作を再生産は避けているのがエライというか、クレバーですね。前作は、ディスコ、ポップ、クラブ音楽をベースにしつつもゴッタ煮、万華鏡的なポップ世界を展開していたわけですが、今回はポップ色をぐっと抑え目にして、タイトでソリッドなビートを押し出しています。その試みは非常に成功していて、ディスコっぽさと最新のビートが絶妙にまじった独特なサウンドになってます。今回は、かの(?)キャシー・デニスが提供した曲がいくつかあって（キャシー・デニスって今は裏方に回っていたのかー）、その中で、シングルカットされた「Can't Get Out Of My Head」は特に白眉。最小限にそぎおとされたサウンド、ビート、メロディ、とてもオリジナリティーのある世界です。94年ごろ、クラブサウンドに接近しようとしたものの、独自性を出すことができなかったカイリーを考えると、感慨ぶかいものがあります（おおげさ）。アメリカ盤には隠しトラックとしてボーナス曲が入っていて（うち一曲は前作からの曲ですが）、それらもなかなか良い感じ。前作の感想で書いたけど、カイリーのボーカル自体に個人的にどうしても魅力が感じられないのが難点なんですけど‥。悪くはないんですけどね、ボーカル。 (5/16/02)

［追記12/26/06］ iTS JPのは、CD 2枚組スペシャルエディションのうち17曲のみのバラ売り販売。元のアルバムは1〜12曲までなので、それだけ買えば1800円。