Live concert at Orpheum Theatre, Boston, MA, 11/2/2007, $49 ★★★

Caetano Veloso / (Live concert at Paradise Rock Club, Boston, MA, 11/2/2007, $49)

::★★★::2007::--::brazil::

■ シンプルなロック編成でのライブ

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カエターノ・ヴェローゾ行ってきました。このハコに来るのは初めて。もともとは劇場だったのかな。クラシカルな感じの内装ですが、いい具合にくたびれてます。ここはロック/ポップスのコンサートばかりやっている印象がありますが、このくたびれ具合が逆にロックっぽいかも。

さて、コンサートですが、相変わらず新譜がどういうものかも知らずに来ました。新譜を聴いていたら容易に予想できたと思いますが、今回のコンサートはなんとベース、ギター、ドラムというトリオのロックバンドを従えての、ぜい肉をそぎおとしたライブ。ロマンスグレーなカエターノ・ヴェローゾも、薄汚れた(ように見える)ジーンズにデニムジャケットという、そのへんのペンキ屋みたいなカジュアルな服装。

なるほど、こう来たか、と新譜も聴かないで来たオレは思いました。近年は「A Foreing Sound」でアメリカン・スタンダードを取り上げたり、どちらかというとゴージャスでメロウな路線が多かったヴェローゾですが、ここで、その「クルーナー・シンガー」的なイメージをぶち壊すかのように、シンプルなロックンロールにあえて挑んだというところなのでしょう。

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バンドは音数が少ないながらも確実でタイトなプレイを聴かせてくれ、その「意図」は良く伝わったのですが、全体としては少々起伏に欠けて、単調になる瞬間もあったかなあと思いました。なんせヴェローゾももうすぐ65歳。いきなりパンクにはなれないわけです。

逆にスローでメロウなナンバーは総じて良く、さらにヴェローゾのギター弾き語りナンバーは素晴らしく、どうしてもメロウネスの方がロックパワーに勝っていたように思います。

ロックでも良いんだけど、3人編成のシンプルなバンドじゃなくて、キーボード、パーカッションにギターをもう1人ぐらい加えたような大人数編成のバンドで深みとニュアンスに富むロックをやった方がヴェローゾには合っているんじゃないかと思いました。そんなコンサート。

ちなみに、コンサート終盤で興奮した若い女性ファンがステージに上がってカエターノに抱きつくアクシデントが何回かありました。モテるなあ、カエターノ。(11/22/2007)