Live concert at Regatta Bar, Cambridge, MA, 10/5/2007, $28 ★★★★

John Scofield / (Live concert at Regatta Bar, Cambridge, MA, 10/5/2007, $28)

::★★★★::2007::--::jazz::

■ ホーン付きながらもクールジャズ的なセット

なんだかんだ言ってジョン・スコフィールドを観るのはこれで三度目です。一回目はメデスキー&ウッドにクライド・スタブルフィールドを加えた「A Go Go」ツアー、二度目はクリス・ウッドやソウル・コフィンのキーボードを迎えた「Bump」のツアー。三度目が「This Meets That」ツアーの今回。ライブ出不精なオレからしたら、三回も観たミュージシャンは珍しいです。これも日程的な巡り合わせと、リラックスした雰囲気と適度の緊張感ある雰囲気がブレンドされたスコフィールドのライブに心地よさを感じるからでしょう。

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さて、今回のハコはホテル付きのジャズ・クラブ。この地に長く住んでいたにも関わらず、この(地元では)有名なジャズクラブに来たのは初めて。今回のスコフィールドのライブは1日2セットで2日間、合計4セットのライブ。オレ(とスーパー同居人ちゃん)が来たのは2日目の1回目のセットでした。4セットもあるから当日券でも入れるのではないかと思ってましたが、当日までにすべて売り切れていたようで、前売り買っておいて良かった。ハコ自体はこじんまりとしていて、ステージを包みこむようにして客席が配置されていて、だいたいどこの席でもステージに近くて良いですね。ただ、レストランバーのようにウェイトレスがテーブルに付いて注文を取るのですが、開場とともに客が一斉に入ってきて、それを複数のテーブルを受け持つウェイトレスが一度に対応するわけですが、注文を取りにくるまで、それから注文したものを持ってくるまでが遅い遅い。お盆に山ほどドリンクをかかえて混雑した会場(一応全席指定)を走り回るウェイトレスには同情を禁じ得ませんでしたが、待つ身としてはもうちょっとなんとかして欲しかった。ドリンクもクソ高いんだし。あと、席がかなり後ろの方だったのが悲しい。もっと早くチケット取ればよかった。

さて、今回のパフォーマーの正式名称は「John Scofield Trio & the Scohorns」で、トリオはスコフィールド(g)、ラリー・グレナディエール(b) 、ビル・スチュワート(dr)に、ホーン3人が付きます。いつものごとく、新譜聴かない状態でライブへ。「スコウフィールド・トリオ&ザ・スコウホーンズ」なんて陽気そうな名前からして、派手目のホーンのアクセントを入れたファンキーでソウル・ジャズなショーになるのかと思いきや、さにあらず。ファンクネスを静かに内に秘めつつも、ストレートなポスト・バップ的ジャズを演奏していきました。3人のホーンは、トランペット、テナー・サックス、フリューゲルホーン、フルート、アルト・フルート、バリトン・サックス、バス・サックスなど、マイルド、低めの音を出す管楽器を含めて演奏したことからわかるように、リズムのアクセントではなく、トリオの演奏のバックグラウンドを包み込むように支える雰囲気で、クール・ジャズを彷彿とさせるものでした(…と良く分かってないのに言うオレ)。「朝日の当たる家」やブルーズ・ナンバーなど、トラディショナルなジャズからはずれたナンバーも演奏していましたが、ちょっと浮いていたかな。

(アンコール前の)コンサートの最後には、(後で分かったのですが)新譜「This Meets That」の一曲目「The Low Road」を長尺で演奏して、これがコンサートで一番盛り上がった。「Bump」のころを思わせるちょっとダークなスコフィールド一流のジャズ・ファンク・ナンバーなんですが、コンサートでは(後に聴いた)CDよりもハードに時にロッキッシュにワンコードで攻めて、えがった。

1日2セットということで、アンコール入れて90分ほどの多少あっさり感のあるセットでしたが、良かったです。席が後ろの方でウェイトレスを捕まえるのに難儀した以外は。(11/12/2007)