Live concert at Lilly Pad, 9/26/2007, $10 ★★★

Don Preston / (Live concert at Lilly Pad, 9/26/2007, $10)

::★★★::2007::--::pop::rock::jazz::experimental::

■ ドン翁の好き放題気まぐれライブ ■

知り合いのライブを地元のギャラリー兼ライブハウスに観に行ったら、なんとその数日後にドン・プレストンのライブがあるという貼り紙があったので、どういう活動をしているかも知らずに行ったので不安もありましたが、観に行ってきました。

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開始予定の夜8時より5分か10分ほど遅れて会場(せまいライブハウス)に入ったら、なぜか客電がついたままでドン・プレストン爺さんがすでにソロでザッパの曲をピアノで弾いてました。え?これは始まっているの?ととまどいつつ、パイプ椅子に着席。てゆうか、客もすげー少ない。最終的に客は20人ぐらいだったんじゃないかな。だって毎週発行される地元の情報誌にもこのライブのこと載ってなかったし、誰も知らなかったんじゃないの?って感じ。

さて、ステージの方ですが、しばらくピアノでザッパ・ナンバーを流麗に弾くプレストン翁。まさかこのまま懐メロみたいな感じでステージが進むんじゃないだろうなあと不安に。いかにもルーザーっぽいザッパ・ファンの客が「We're Only In It」のジャケにサインをせがむと「いや、今コンサート中だから」とプレストンに注意されるという、すごくトホホな感じの雰囲気。てか、客電落とせよ!

しばらくすると、黒人かインド人かよくわからないギタリストと、ターミネーター2のリンダ・ハミルトンのような男っぽさをたたえる女性電子パーカッショニストが出てきて、いよいよコンサートの本当の始まり。ところが、この一曲目が電子音のシタールとタブラをベースにしたワンコードの緩い即興曲。プレストン翁がムーグを弾きまくりますが、60年代のニューエイジじゃないんだから、こんな似非インドっぽいつまらないバックで弾かれても寒いばかりです。おいおい、大丈夫かよ、プレストン翁。

次の曲からはもう少し実験的な調子になり、コンサートはしばらく、3人のメンバーの即興を中心に進みます。特に、プレストン翁が鍵盤にほとんど触れずにエフェクトだけで電子音を出しまくった曲はかなり良かった。ああいう感じでずっとやってくれればいいのに…。

後半は、ザッパ曲も披露。「Eric Dolphy Memorial Barbeque」をピアノソロで弾いて、「バンドでやると聞こえない音が、ピアノでソロで弾くと聞こえるんだ」と講釈を垂れていましたが、たしかに「Eric Dolphy Memorial Barbeque」ってこんなに美しい曲だったんだと目から鱗が落ちました。他、「Trouble Every Day」や「Help, I'm A Rock」(の替え歌の「Help, I'm Iraq」)をやったりしましたが、正直ちょっと寒かったです。

というわけで、果てしなく★★に近いライブでしたが、何度か「最高!」と思える瞬間もあったのも事実で、もっと焦点を絞ったライブをやればいいのに…と思わないでもなかったですが、数日前に75歳になったというプレストン翁ですから、おじいちゃんには好きなことを好きなだけやってもらえればいいかと言う気にもなりました。75なのにぶっとんでるし。また、歳なのにピアノプレイは激しく、素晴らしいテクニックでした。最後はCDを一枚買って握手してサインしてもらいました。(10/24/2007)