B.P.V. vol.1 [DVD] ★★★

BONNIE PINK : B.P.V vol.1 (1995?1998) [DVD]

Bonnie Pink / B.P.V. vol.1 [DVD]

::★★★::2002::ポニー・キャニオン::pop::rock::jp::

■ ポニー・キャニオン時代のプロモビデオ ファン以外は楽しめないだろう

ボニー・ピンクのポニー・キャニオン時代のプロモビデオ集。下に全曲紹介します。

各曲紹介

1. オレンジ (1995)

デビュー曲。青みがかった画面にボニー・ピンクをひたすら映す画像で、意図的なカメラのぶれやぼかしエフェクトなどを多用した良く言えば抽象的、悪く言えば何が言いたいのかさっぱりわからないビデオ。曲の良さをかけらも引き出していない駄ビデオと言えましょう。


2. Surprise (1996)

アルバムには入らなかったセカンドシングル。ストリングスの中央で、もがき苦しむようにして激しく歌うボニー・ピンクを描いたビデオで、最低レベルのデビュー曲に比べるとだいぶ良いです。個人的にそれほど好きではない曲なので、ビデオにも思い入れはまったくありませんが、2006年の「女」を強調したビデオの対極にあるパンクなビデオという点では興味深いです。ちなみに、シングルのジャケではまだ黒髪でしたが、このプロモビデオではすでに赤髪ですね。


3. Do You Crash? (1996)

ビビッドカラーにイメチェンした「新生ボニーピンク」の第一弾。トーレ・ヨハンソンがギタリストで出ています。ビデオとしては、まあ、普通でしょうか。ビビッドカラーのコンセプトは良く出ています。


4. Heaven's Kitchen (1997)

ボニピンの代表曲のビデオ。ビデオの路線としては「Do You Crash?」と同じような感じでしょうか。まあ、普通です。


5. It's Gonna Rain! (1997)

5枚目のシングル。これは良いです。いや、映像のアーティスティックな出来としてはかなり低いというか、ダサめですが、とにかくこのビデオのボニーピンクはカワいいです。キュート! 当時23歳ですが、ほとんど10代にしかみえませんね。さらに、スウェーデンでレコーディングしたときのオフショットがふんだんに使われていて、かなり個性的なボニー・ピンクの私服もたくさん楽しめ、ファンにはたまりませんね。


6. Forget Me Not (1998)

ヨーロッパのお屋敷で、ボニー・ピンクがメイドとクレイジーなお嬢様の二役を演じるビデオ。メイドのボニー・ピンクはカワイイですが、クレイジーお嬢様なボニー・ピンクはシンディー・ローパーばりのド派手なメイクをしていて、そういうキャラだからしょうがないとはいえ、不細工です。というわけでファンにはいたしかゆしのビデオ。ヨーロッパ舞台にする意味がまったく分からないので、その点でも評価低し。


7. evil and flowers (1998)

2分半の弾き語りの小品で、弾き語りの様子が撮影されているだけのシンプルなビデオ。全編セピア調で、落ち着いた感じできれいに撮れていますが、まあ、フツ−。2分半なので特に展開もなく。


8. 金魚 (1998)

珍しく髪の毛の両脇を跳ね上げたヘアーセットになっていて、新鮮。でもエフェクトばりばりの落ち着かない編集にはイラつきます。金魚鉢を覗き込むというコンセプトは分かるんだけど、シンガーの姿もろくに捉えられていないのって音楽のプロモビデオとしてどうなのよ。


9. 犬と月 (1998)

シンプルなプロモビデオで良いです。こういうのでいいんですよ。シンガーが歌う様子を捉えないプロモビデオなんてプロモビデオじゃない。意味不明なストーリーもなく、出演者もボニー・ピンクと犬のみ。曲も良いし、素晴らしいというほどではないが楽しめるビデオです。

ボーナス映像

ボーナスでは、「Heaven's Kitchen」と「犬と月」のメイキングと、「In Sweden」と題したスウェーデン・レコーディングのオフショットを撮ったムービーが入っています。いずれも10分以上あり、特に「犬と月メイキング」と「In Sweden」はボニー・ピンクのオフショットがふんだんに収められていてファンには嬉しいですね。良くも悪くも色気のない女子であります。ちなみに「犬と月メイキング」には、同曲のライブ映像が挿入されるのですが、これがボニー・ピンクの映像史上もっとも太ったボニー・ピンクが観られるという点でもはずせません。上の写真は「In Sweden」のワンシーンです。

さらに、このDVDには隠しメニューなのかどうか分かりませんが、とりあえずオレのコンピュータのDVDソフトでは再生のメニューが見つけられないライブ映像が3曲収録されています(タイトル20, 21, 23)。

  1. Maze of Love
  2. He
  3. evil and flowers

「Maze of Love」はインストアライブで、ギターとピアノのみをバックにしたバージョンで興味深いです。「He」と「evil and flowers」はライブハウスセッティングでのアコースティック・ライブを固定カメラで撮ったもので、前者でノリノリのボニー・ピンクが観られます。

総評

メインコンテンツは、「It's Gonna Rain」と「犬と月」以外はあまり良くないとオレは思いました。しかし「It's Gonna Rain」のアイドルのようなボニー・ピンクは見逃せません。さらに、ボーナス映像と隠し?ライブ映像は、ファンには非常に嬉しい&興味深い内容です。ということで、一つの作品としての完成度は今いちですが、ファンは要チェックですね。(9/6/2007)