Title ★★★★

Raw Like Sushi

Neneh Cherry / Title

::★★★★::::label::pop::rock::
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■ ネナ・チェリーのやんちゃなキャラが良く出たダンスアルバム

1988年といえば、ハウスとヒップホップというアンダーグラウンド・カルチャーが火山の噴火のごとくオーバーグラウンドに吹き出し始めた時期。ポップス・ロック界はこの激震の影響を受け、一種のカオス状態が生まれました。その時期のクラブ寄りのミクスチャー・アルバムの名盤がこれ。

実験的ファンクバンド、リップ・リグ&パニックのボーカルという出自の確かさ、ハスッパなアネゴ・キャラにして、クレバーさを漂わせたキャラ。そして、当時新進気鋭だったボム・ザ・ベースのプロデュース(一曲だけですが)。ハウス、ヒップホップ、ソウル、ポップスなどが渾然一体となったミクスチャー・ワールド。それでタイトルが「寿司のようにナマ(Raw Like Sushi)」なんだから、もう言うことありません。80年代末の時代の空気を感じろ!

ネナ・チェリーは、2枚目以降は内省的な方向へ進み、AMGあたりの評価も高いのですが、個人的にはそれほど惹かれないかも。(7/13/2007)


この曲を聴け!

  • ヒットしたtr1「Buffalo Stance」はネナ・チェリーの文句無しの代表曲。ティム・シムノン(ボム・ザ・ベース)の「勢い優先」のプロダクションがネナ・チェリーのハスッパキャラと最高のマッチング。
  • 同じく馬鹿路線では、パーティー・ラップtr5「The Next Generation」がまた最高。
  • しかし、馬鹿っぽさの対極として、tr2「Manchild」のようなメロウでインテリジェントな名曲が存在感を放っているのがこのアルバムの素晴らしいところであり、ネナ・チェリーの芸風の奥深いところ。この曲もシングルカットされてヒットしましたが、非常に良いです。
  • ファンキーでジャジーなラストtr10「So Here I Come」まで、一気に聴かせてくれます。