Fastway ★★★

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::★★★::1983::Columbia::pop::rock::
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■ 笑っちゃうほどツェッペリン印のシンプルなロケンロールアルバム

実家にあったアナログ盤。ツェッペリン・クローンとしてしられるファストウェイのデビュー作ですが、確かにツェッペリンぽい。しかし、AMGの言うように、後に同じくツェッペリン・クローンと言われたKingdom Comeがしばしば評論家に批判されたのとは違い、ファストウェイはそういった辛辣な批判にはさらされませんでした。その理由は、一言で言えば、「B級っぽい」からだとオレは思います。Kingdom Comeがかなりの『本格派」だったのに対し、ファストウェイはあくまでチープというか、ライトというか。そう、ツェッペリン・クローンといっても、ファストウェイはツェッペリンの重厚なところ、プログレッシヴ的なところではなく、あくまで「Communication Breakdown」や「Rock'N'Roll」のような、ライトなロケンロール路線のクローンなんですね。だからなんだか憎めない。

また、ボーカルのデイヴ・キングという新人がなかなか良い味を出しています。あきらかなロバート・プラント・クローンですが、ロバート・プラント・クローンってそんなに数は多くないし、ロバート・プラント自体変態的なボーカリストなだけに、そのクローンもそこはかとなく変態的な響きがあります。デイヴ・キングはけっこう素直な感じのボーカリストですが、例えば、ラストの「Give It Some Action」のプラント・クローンぶりは、プラントの変態的歌唱をよく再現していていとおかし。

ただ、このバンドの欠点は、曲が小粒なことですよねえ。どの曲もカッコいいし、演奏もタイトで良いんだけど、あと一歩決め手がないというか。あと、ミディアムナンバーが今いちだし。

でもまあけっこうおもしろいアルバムだし、B級ハードロックが好きな人にお勧め。(5/18/2007)