A Charlie Brown Christmas ★★★★★

A Charlie Brown Christmas: The Original Sound Track Recording Of The CBS Television Special

Vince Guaraldi Trio / A Charlie Brown Christmas

::★★★★★::1965::Fantasy::jazz::
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■ お馴染みチャーリー・ブラウンの名作クリスマスアルバム

「Peanuts」シリーズの中でも人気が高い作品です。「Peanuts」のサントラをやるのにヴィンス・ガラルディ以上の適任者はいないんじゃないでしょうか。ガラルディのプレイは明るく、屈託なく、大人の邪心のようなものを感じさせない。それでいてイージーリスニングには決して陥らず、リリカルな響きの中にいつも芯の強さを感じさせてくれます。

このアルバムは「オー・タネンバウム」「グリーンスリーヴス」「エリーゼのために」「ザ・クリスマス・ソング」といった、子どもにも親しみ深いクリスマスに縁のある曲が入っていますが、しかしハイライトはtr5,6「Christmas Time Is Here」、そしてtr7「Skating」でしょう。

前者は、クリスマス曲の古典と比べてまったく遜色ないほど美しく、清らかで繊細な曲です。ここではインストバージョンと子どもたちのコーラスバージョンが続けて収録されていますが、いずれも素晴らしい。まさに名曲です。ちなみにオレはノラ・ジョーンズの出世曲「Don't Know Why」を聴くとなんとなくこの曲を思い出します。

後者は、ジャズとポップスの間を行くような曲ですが、ガラルディのピアノのメロディはまさにスケートリンクでスケートするかのような、優雅で楽しく、スウィング感に満ちたもの。それでいてピアノのタッチは優しく、繊細です。子どもも楽しめ、大人も酔いしれることができる素晴らしい楽曲、素晴らしい演奏です。

感動するとか、心うちふるえるとか、そんなアルバムではありませんが、やさしい気持ちになれる名盤です。(4/28/2007)

[追記 4/28/2007]このアルバムは2006年にリマスター盤が出ましたが、コンプレッションのかかった音質や、バージョン差し替えに対して賛否両論のようです。上にリンクしてあるのはオリジナル版。