(Live concert @Zepp Osaka, 4/9/2007, 7500円) ★★★★★

Beck / (Live concert @Zepp Osaka, 4/9/2007, 7500円)

::★★★★★::2007::--::pop::rock::

■ スラッカー(駄目人間)風でいて芸の細かいエンタテイメント

ベックのコンサートに行ってきましたですよ。大阪港の埋め立て地コスモパークにあるZepp Osakaへ、車で行ってきました。WTCの隣というか奥の方に1時間100円のパーキングが二つあるので、そこに車を駐車(結局4時間400円で済んだ)。しかしあの埋め立て島は道がわかりにくいね。

整理券番号順に入場。番号は後ろの方だったけど、どうせ立ち見だから影響ありません。オレとスーパー同居人ちゃんは、一番前のブロックに陣取ることに。前の方だと音のバランスが悪いけど、アーティストを至近距離で観られるからいいやね。

客層は地味やね。さすがキング・オブ・スラッカー(駄目人間)、ベックのコンサートです。気合いの入ったような服装の客はあまりたくさんいません。みな普段着というか、ニートっぽいです(超偏見)。

開演を待つ間ステージをひたすら眺めていましたが、ステージは非常に地味で、派手な舞台装置もなく、楽器が並んでいるだけ。でも、ドラムセットの前にミニドラムセットがまたあるのが気になる。白衣をきたスタッフがうろうろしているのも気になる。ステージ中央にあるのはよ〜くみたらミニ舞台ではないか?

などと思っていると開演。ベックは長髪になっていて、カウボーイハットをかぶっています。背が小さい。男前。一曲目はいきなり「Loser」。惜しみないね〜。当然客席のボルテージは一気に最高潮に。サビは全員が合唱するので観客の声で鼓膜がビリビリ言うほど。

ステージ後方にあったのはやはりミニステージで、メンバー全員のパペットがステージ上のメンバーの動きと同じ動きをして、それをスタッフがカメラで撮影してそれをステージ後方に映し出すという意味があるんだかないんだかよくわからないギミック。ベックらしいな。この「パペット・ステージ」は最初から最後まであって、ローファイだけれども、ステージ上のメンバーの動きを忠実に再現して、パペットを映すカメラワークも本格的?なロック・ビデオみたいで、映像処理も含めて妥協のないものだった。

微妙に意味ないですけど>パペットでシャドーイング

ベックの歌は思ったほど声量はないかなと思いましたが、まあ、長いツアーだし、いちいち全力出せるかよというスタンスなのかもしれません(根拠の無い想像)。あと、わりとギター持って歌う曲が多かったな。バンドは、ドラム、ベース、ギター、キーボード、ウィーザーのメンバーみたいなルックスのブレイクダンサー(?)という編成。でも、ベースとドラム以外の3人は担当楽器が決まって無いも同然で、曲によって入れ替わり立ち替わりそれぞれギター弾いたり、キーボードやったり、パーカッションやったり、ミニドラム叩いたり、ダンスしたり…ものすごく節操のない感じでそこがベックっぽくて良かった。

ちなみに途中オレのそばで騒いでいた体臭きつい外人客が超ウザかったけど、スーパー同居人ちゃんが毅然と「ドント」とたしなめてくれたおかげで遠いところに移動してくれて、残りは心置きなく楽しめました。

良かったのが、中盤の「Mutations」〜「Sea Change」メドレー。ベックのギター弾き語りで次々とメランコリックなバラードが歌い上げられていきます。ああ、ええ曲ばかりやなあ。その間、メンバーはステージ上に用意されたテーブルを囲んで座って談笑する雰囲気でなごやかに食事している。その、アットホームなステージ演出がいいなと思っていたら、テーブルで食事をしているメンバーたちがいつのまにかハーモニーをつけて、フォークやスプーンで食器を叩いて伴奏を始める。この演出にはジーンとしましたね。

アンコール前には、パペットによる映画とかもあっておもしろかったな。地味でローファイだけどエンタテイメント精神満載の良いコンサートでした。ヒット曲多いのも強みやね。