(Live concert @The Neurosciences Institute, San Diego, California, 3/28/2007, $24) ★★★★

Dave Holland Quintet / (Live concert @The Neurosciences Institute, San Diego, California, 3/28/2007, $24)

::★★★★::2007::--::jazz::

■ 高クォリティーなポスト・バップ・ジャズでした

スーパー同居人ちゃんを引き連れてサン・ディエゴに行ってきたんですが(学会出張)、スーパー同居人ちゃんを通して知り合いになった友人が当地にいるんですね。その友人が、オレ&スーパー同居人ちゃんがサン・ディエゴに到着するまさにその日に、ベテラン・ジャズ・ベーシスト、デイヴ・ホーランドのコンサートがあるというので、友人と食事するついでに行ってきました。何も到着した日に行かなくてもいいようなものですが、観光気分ながらも一応出張なのでスケジュールに余裕がなくて、こういうことになりました。

デイヴ・ホーランドのリーダー作品は聴いたことなかったんですが、有名人だし、日本だとすぐ8000円ぐらいいくジャズのコンサートもアメリカだと30ドル以下で見られるので、ぜひ観ておきたいと行ってきたわけです。

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ちなみにこれはThe Athenaeum Music & Arts Libraryというところが主催しているジャズ・ライブ・シリーズの一環で、コンサート会場は研究機関であるNeurosciences Instituteの講堂。でも、体育館みたいな多くの日本の大学の講堂と違ってアメリカの研究機関の講堂は立派ですから、コンサート会場としても違和感はありません。

友人によれば、サン・ディエゴは「文化的に遅れている」ということで、ジャズのコンサートがあっても年寄りしか来ないそうです。以前同じコンサートシリーズでブラッド・メルダウ(メルドー)も来たそうですが、若受けするメルダウでさえ聴衆は年寄りばっかりだったそうです。

ということで、満員の今回のコンサートも当然のように年寄りばかりというか、学者っぽい人ばかりでした。自由席なので好きなところに座れるのですが、到着したころにはほとんど満席だったので、後方の席になりました。

さて、開演になって登場したのは5人…って、クィンテットだから当たり前だけど。クリス・ポッター(sax)、ロビン・ユーバンクス(tb)、スティーヴ・ネルソン(vb)、ネイト・スミス(dr)、ホーランド(b)という面々。デイヴ・ホーランドについては誘ってくれた友人いわく「超しぶくてかっこいいベーシスト」。だからオレは伝統的なハードバップとか、ジャズスタンダードをやる人かな、と思っていました。しかし、蓋を開けてみると、リラックスした演奏の中に緊張感・攻撃性も含んだ現代的ジャズで、ああなんだ、友人はルックスや存在感が「超しぶい」と言っていたんだなと思いました。

特に印象に残ったのがドラムのネイト・スミス。非常に硬質で激しいプレイをする人で、この日の印象ではけっこうラテン・ジャズっぽい演奏だなと思いました。4ビートというよりポリリズミックな16ビートという感じで、要所要所で激しいインタープレイを見せていました。ただ、コンサート終盤になると、このプレイはちょっと飽きるかなと思いました。

デイヴ・ホーランドの存在感、ファンキーなグルーヴも良かった。アップライト・ベースでしたが、あれはエレクトリックだったのかな? 音が電気的に増幅された感じで(間違っているかもしれませんが)、そこがこのクィンテッドのフュージョンっぽさというか現代性に一役かっていたように思います。

というわけでとても楽しめたライブでした。ちなみに、日本から14時間ばかり飛行機に揺られてきた日にコンサートを観たものですから、予想通りオレもスーパー同居人ちゃんも居眠りの連続。後方離れたところに着席していた友人にも「寝ていたでしょ?」と言われました。いいんですよ、音楽を聴いて心地よくて寝るのは悪いことじゃない!と、心の中で言い訳をした夜でありました。