Rock of Ages: The Definitive Collection ★★★★★

Rock of Ages: The Definitive Collection

Def Leppard / Rock of Ages: The Definitive Collection

::★★★★★::2005::Mercury::pop::rock::
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■ 商業ポップロックの良心、デフ・レパードのすばらしさがこれでもかと伝わってくるベストアルバム

オレは高校生のころに出世作「Pyromania」のCDを買って、確かあれがオレが買った初めての「CD」だったと言う記憶があるんです(それまではLPだった)が、当時のオレはもっとハードなヘビーメタルが好きだったので、「Pyromania」も好きだったけど、それ以上デフ・レパードには入り込みませんでした。ただ、「Pyromania」からのヒットシングル「Photograph」は史上最高のポップメタル・ソングだと考えていました。そこで、懐かしさでiTS USからこのベスト・アルバムを購入したんですが…。

びっくり。クォリティー高くて。全35曲、ほとんどすべて良い曲。

確かに、このポスト・グランジの時代に聴くと、デフ・レパードのアプローチはやはり80年代的なんですが、とにかく曲が良くて、メロディが良くて、アレンジが良くて、マジ良いです。

それから、メタルと言っても、彼らはグラムロックの影響が強いので、あまり押し付けがましくないのよね、ギターとかが。例えば、ヒットした「Armageddon It」(1988、ビルボード3位)は、基本的にギターの調子などはグラムロック的、ブギーロックなんです。で、サビでいきなりAORロックになるのが笑えるというか、デフ・レパードらしいというか。このドリーミーなサビで「Armageddon It」というタイトルは合わないだろうって。また、「Animal」「Rocket」といった全盛期のヒット曲を聴くと、うまくニューウェーブ風味のギター(ポリスのアンディ・サマーズのような)も取り入れているなあと関心します。

また、このアルバムには90年代以降の曲も入っているのですが、これが80年代とほとんど芸風が変わっておらず、かつ、80年代とクォリティーがまったく衰えていないことに驚きを禁じ得ません。たとえば、「Promises」(1999)は、正直、名曲「Photograph」(1983)の焼き直し以外何モノでもないんですが、ここまでクォリティーの高い焼き直しなら文句ありません。美メロです。一方、「High 'N' Dry」など、大ブレイクする前の古い楽曲も、後のデフ・レパードとはまた違った硬派なロケンロール・メタルで良いです。

とりあえず非常にすばらしいベスト盤です。脱帽。(2/14/07)