デフ・レパードについて

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Def Leppard

デフ・レパード (1977年結成、1980年アルバムデビュー)
genre: pop/rock

写真は全盛期のデフ・レパード。左からスティーブ・クラーク(g)、リック・アレン(dr)、ジョー・エリオット(vo)、フィル・コリン(g)、リック・サベージ(b)

【概観】

なんか、最近の「disc reviews@ghostlawns」はメタルばっかりのような気がしますが…なんでだ?!

デフ・レパードは80年代の華麗な「ヘアーメタル」(スパッツを履き、ブロンドのカーリーヘアをスプレーでふんわりと固め、グラム的化粧もほどこしたポップなヘビーメタル)がブームとなるきっかけをつくったバンドとして知られています。「ヘアーメタル」というほとんど蔑称で呼ばれた音楽は、ニルヴァーナを筆頭とするグランジの台頭によって一掃されてしまい、ニューウェーブやらニューロマンティックスなどとともに、「80年代のあだ花」として消えて行きました。ちなみに、カート・コバーンはヘアーメタル系音楽を「Cock Rock」(チンポロック)と呼んでいましたが、あれはヘアーメタル系がスパッツを履いて股間が盛り上がっていたからでしょうか。ちなみに、ガンズンローゼズのアクセルもデビュー当時は、髪の毛がブロンドでふんわりしていました。(今考えると信じられないでしょうが。)

それはともかく。

80年代でアメリカで華美でポップなメタルが流行した、そのきっかけを作ったデフ・レパードですが、消えてしまった数多くのヘアーメタル系バンドを尻目に非常に息の長い活動を続けています。アメリカではなくイギリスのバンドだったせいか、アホっぽさが控えめで、当時からヘアスプレーの量もとても少なかったのが良かったのでしょうか。ヘアーメタル・バンドに典型的だった「グルーピーはべらせて毎日パーティーだぜ!」という雰囲気もなかったし。ドラマーが交通事故で片腕を失ってもクビにせず、片腕で叩けるドラム・キットを開発して問題を解決したりする人情深さもあったし(そのドラマーは現在も在籍)。

そして何よりも作曲能力があったんでしょうね。もともとグラムロックの影響を良く指摘されるバンドですが、とにかく曲がポップです。初期はニューウェーブ・オブ・ブリティッシュ・ヘビーメタルの影響下にある荒削りなサウンドを出していましたが、アメリカだけで1000万枚を売り上げた3rdアルバム「Pyromania」(1983)あたりからポップ化が進行し、さらに売れた4thアルバム「Hysteria」(1987)ではほとんどAORロックじゃないかという領域だし。しかし、どんなにポップ化して、AORメタルと揶揄されようとも、曲の良さは誰も否定できない、そこがデフ・レパードの強みでしょうね。ハイ。

(2/14/07)