The Reality Of My Surroundings ★★★★★

The Reality of My Surroundings

Fishbone / The Reality Of My Surroundings

::★★★★★::1991::Columbia::pop::rock::
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ブラックロック史上燦然と輝く名作

デビュー当時はひたすらパンク色が強かったフィッシュボーンですが、前作の「Truth And Soul」の「Freddie's Dead」「Bonin' In The Boneyard」といった曲でハードロック色を押しだし、さらにこのアルバムではハードロック・サウンドを完成させています。それは冒頭のtr1「Fight The Youth」のかっこええヘヴィーメタルなイントロからして明らか。しかもボーカルがアクの強いアンジェロでなく、素直なボーカルスタイルのギターのケンドール・ジョーンズなのね(たぶん)([追記 1/29/07]ボーカルはキーボードのクリス・ダウドでした。訂正します)。だから、すごくまっとうなハードロックに聴こえる。

ケンドール・ジョーンズの作曲の貢献はこの曲とアルバムラストの「Sunless Saturday」の二曲に顕著というか。この「Sunless Saturday」も実にハードロックなのですが、非常に単純で良い曲で、即フィッシュボーンのコンサートの定番曲となった曲です。イントロがアコギをかきならしで、ライブではこの間にボーカルのアンジェロが「ツナミ! ツナミ!!」と絶叫し、雷鳴のようなドラムとともにハードロックギターリフが炸裂するところで客席にダイブ! するんですねぃ。超カッコいいです。

その他にも、このアルバムにはtr5「Housework」という名曲が収録されています。この曲はスカでかつファンクな曲で、フィッシュとノーウッド・フィッシャーのリズム隊がファンキーすぎます。tr9「Pressure」はコンサートの定番ですね。すごーくポップなスカ、tr11「Pray To The Junkiemaker」、スライ的tr12「Everyday Sunshine」も良いですねー。

他にも聴きどころが満載。なんといっても全18曲ですからね。息つく暇もない。あまりに濃すぎて、内容的に最高なのに商業的ブレイクにはいたらず、一方ではフィシュボーンを薄めたようなレッチリがブレイクしてしまった。なんてこったい。 (2/16/04)