Built To Destroy ★★★

限りなき戦い

Michael Schenker Group / Built To Destroy

::★★★::1983::Chrysalis::pop::rock::
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■ 前作の延長線上かつスケールダウン

さて、せっかく(当時)人気ボーカリストだったグラハム・ボネットが加入したのにすぐに脱退。急遽、ゲイリー・バーデンを迎えてアルバムを録音したものの、マイケル・シェンカーはあまりゲイリー・バーデンを評価していなかったようで、曲によってはデレク・セイントホームズ(元テッド・ニュージェント・バンド)に差し替えたりしています。

ゲイリー・バーデンって、まあそんなに素晴らしいボーカリストではないというか、カリスマ性が決定的に欠けているし、当時の日本のメタル評論家もずいぶんとバーデンをこきおろしていたように記憶しています。でも、今になって振り返ると、やはりMSGに一番合っていたのはバーデンだったというのは多くの人が認めるところではないでしょうか。オレは当時からゲイリー・バーデンのへなへななボーカルは嫌いじゃなくて、なんでみんながケナすのか、中学生ながらも不思議に思ってました。ハイ。

しかし、バンドの混乱を反映してか、あるいはシェンカーの状態も良くなかったのか、前作の延長線上にある本作も、前作と同じく「悪くないけど」的アルバムです。キーボードをよりフィーチャーしたりして、なんか模索しているなあという感じもあるけど、ゲイリー・バーデンが戻ってきたし(すぐ首になるけど)、まあ、悪くないです。(1/27/07)