Life ★★★★

Life

The Cardigans / Life

::★★★★::1995::Polydor::pop::rock::
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■ 悪意を秘めたガール・ポップ・アルバムの傑作

スウェーデンのカーディガンズの二作目であり代表作。カーディガンズというのは、ダークでダウナーな側面があるグループなんだけれども、本作は意図的に「レトロなガールポップ」に徹底したアルバムで、この50年代ポップカルチャーっぽいジャケがそれを象徴してます。というわけで、「本気で作ったジョーク・アルバム」である本作なのですが、これが大ヒット、計らずもカーディガンズの代表作になってしまいました。

しかし、実際内容も非常に良いので、代表作とされるのもむべなるかなという感じです。ヒットしたtr1「Carnival」は、オルガンがレトロな響きのガールポップで、ポップな中に陰と湿り気があるのが北欧らしいと言えるか。tr2「Gordon's Gardenparty」のニーナ・パーションのボーカルのなりきりぶりは見事。他もtr3「Daddy's Car」(お父さんの車)、とかtr11「Hey! Get Out Of My Way」(ちょっとどいてよ!)とか、50年代アメリカンポップカルチャーを彷彿とさせるような曲がめじろおし。で、アルバムタイトルが「Life」ですからね。ブラック・ヒューモアが感じられます。

個人的なベストはカーディガンズの曲でもっとも明るいんじゃないかという底抜けポップ曲tr6「Rise And Shine」かな。こういう単純なの好きなんです。わりに素のカーディガンズっぽいスローナンバーtr7「Beautiful One」、またもや50年代なりきりナンバーtr8「Travelling With Charley」なども良いです。

で、ラストナンバーはよりによってブラック・サバスの「サバス・ブラッディー・サバス」のカバー(リーダーが実はメタル好きらしい)。この曲はタイトルとは裏腹にサバスの曲中もっともメロウでポップな曲なんだけど、これが実にカーディガンズらしくうまく消化してあって笑える。アルバムのテーマとまったく相反するような歌詞(人間不信で世の中を呪う内容)もあわせてお楽しみください。 (1/23/07)