Black Sabbath ★★★★

Black Sabbath

Black Sabbath / Black Sabbath

::★★★★::1970::Warner::pop::rock::
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■ デビュー作にして完全にキャラを確立

ブラック・サバスの記念すべきデビュー・アルバム。一曲が組曲風に(すくなくともタイトル上では)なっていることが多いのはサバスの特徴ですが、このアルバムは特にその傾向が強く、曲は5曲しかリストされてません(バージョンによって異なる)。ということで、サバスのアルバムでもとりわけ一曲が長いアルバムであるのですが、しかし全然ダレた感じになってないのがスゴいですね。

で、このアルバムは、「ロック史上最もテンポの遅い曲のひとつ」(←大げさ)である冒頭のタイトル・トラックの不気味な印象および「ロック史上最も薄気味悪いジャケのひとつ」のおかげで、なんかキワっぽい印象もあるのですが、実際は実にまっとうなヘヴィー・ブルーズ・ロック・アルバムで、サバスのアルバムのなかでもっとも渋い味わいのある作品なんですよね。ファットボーイ・スリムもサンプリングしたブルーズ・ハープが曲をひっぱるファンキー・ブルーズの「The Wizard」はやっぱカッコいいし、14分の長尺で、陰気なメロディも交錯する「Sleeping Village(その他)」も、土台はやっぱりブルーズ・ロックです。で、どれもたまらなく重苦しいのが魅力。

重苦しいけれど、たとえば「Wicked World」のイントロにはジャズ・ロックだし、軽快なとこもあるんでっせ。そのあたりがただ重苦しいだけの「Live Evil」(マイルズじゃないお。1982年のロニー・ジェイムズ・ディオ期のサバスのライブ盤)あたりとは違うとこなんだな。濃いアルバムです。なんというか、だらーっと聴いてるとマリファナの煙がたちこめてきそうな。 (1/16/07)