You Are The Music...We Are The Band ★★★★★

You Are the Music..We're Just the Band

Trapeze / You Are The Music...We Are The Band

::★★★★★::1972::Threshold::pop::rock::
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■ ファンク・ロックの傑作!

第3期ディープ・パープルでヘタしたらデイヴィッド・カヴァーデイルより目立っていたベース兼ボーカルのグレン・ヒューズがパープル加入前に率いていたトリオ。これがパープルの100倍カッコいい。もう、一曲目の「Keepin' Time」のイントロから打ちのめされた。シンプルでハードなギターに、加速をつけるかのごとくツーバスがドコドコと畳みかける。で、すげーファンキー。んでもって、他に「オマエは音楽で、オレらはバンドだ!」などとシャウトする曲が入っているんですよ。んでもって、この暑苦しいジャケですよ。もう最高すぎ!!!

ちなみにメンバーはヒューズ(b, vo)、メル・ギャリー(g)、デイヴ・ホーランド(dr)。ホーランドはのちにジューダス・プリーストに参加してジューダスの黄金時代を支える人なんだけど、トラピーズ時代の彼は直線的なビートのジューダスから想像できないほどファンキー! いや、よく聴くと確かにホーランドらしく、ツーバスもドコドコ言ってるし、几帳面で寡黙でタイトなフレージングはジューダス時代と同じなんだけど、このアルバムのホーランドはリズムに「間」があってすごく良い雰囲気。たとえば、tr4「Way Back To The Bone」のホーランドの地味なドラムなど、何も特別なことをしてないのに、一つ一つの音に「ビート」を感じさせるんだよねぃ。

バンドの話に戻すと、このバンドが素晴しいのは、イギリスのバンドなのにアメリカンで、ジメジメしてないところですね。カラっとしている。そして、当時のハードロックシーンにあった大作主義を否定して「リフ一発勝負、グルーヴ命!」に徹底している。だから今聴いても古臭くない。レッチリあたりに近い雰囲気ですかね。レニー・クラヴィッツというか。とにかくあまりに過小評価されすぎですな、このバンド。

ヒューズ・スロール「仮面の都市」(わらい)に収録されていた「Coast To Coast」のオリジナル・バージョンも収録。ヒューズ・スロール自体が無名だから売りにもなんにもならんが。