Volume Two ★★★★

Vol. 2
ヴォリューム1&2

Soft Machine / Volume Two

::★★★★::1969::Probe/One Way::pop::rock::
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■ 前作よりポップさが減退したが引き続きポップで実験的

オレにとってソフト・マシーンといえばやっぱりトリオ編成の最初の二枚。このセカンド・アルバムではベースがケヴィン・エイヤーズからヒュー・ホッパーにかわっています。ポップでユーモラスで序章的な最初の二曲がフッと消えてすかさずtr3「Hibou, Anemone And Bear」で、クリムゾンちっくなファズ・ベースが鳴るところ、カッコいいですね。新メンバーなのにグイグイとグループをひっぱる存在感があります。全体的には、前作と同じく全曲ノンストップで万華鏡のように次から次へと色あざやかに曲が流れてきます。ギターのいない、ベース+ドラム+キーボードというシンプルな編成なのに音楽的に機知に富んで豊かなのが見事ですね。

トリオとは言え、前述した「Hibou...」を初め、ホーンセクションが入ってますけど、でも核はやはり、ロバート・ワイアットのファンキーなドラム、ヒュー・ホッパーのファズ・ベース、そして理知的なマイク・ラトレッジのピアノ&オルガンですね。このアルバムではラトレッジはピアノを弾く機会が多いのが良いですね。ラトレッジのオルガンは無機質すぎるきらいがあるから。とりあえずとても良いポップアルバムです。ダダイズムの影響があるらしいのですが、そのあたりの精神性もソフト・マシーン流にうまく昇華していて好ましいです。また、全体的にはポップですが、アルバムの締めであるtr14「Pig」からtr17「10:30 Returns To The Bedroom」までは、切れ味鋭いハードな演奏で、非常にスリリング。ナイス。

最後に、このアルバムからソフト・マシーンが「ジャズっぽくなった」と言う人が少なからず存在しますが、このアルバムのどこがジャズなのか、まったくもって理解不能です。インストゥルメンタル・パートが長くなればなんでもジャズなのか? (1/7/07)