Fourth ★★★★

Fourth

Soft Machine / Fourth

::★★★★::1971::Columbia::pop::rock::
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■ 前作の延長にありつつも、曲の完成度が上がった

ぼくはソフト・マシーンの「Third」がどうも好きになれないんだけど、この「Fourth」は好き。基本的には前作の延長線上にあって、インストのジャズ・ロックなんだけど、前作にあった大作ぶりっ子がゆえに焦点ボケボケなところがなくなって、もっと焦点を絞った作品になってます。メンバーも絞りこんであるし。たとえば、一曲目の「Teeth」は9分以上ある曲だけれども、ほとんどその長さを感じさせない。つまり、インプロヴィゼーションなりに展開にちゃんと必然性があるんですよね。また、全体にジャズ色が強くなっているのも良いです。「Teeth」もかなりジャズ色が強いし、チェロ(Saxello?)をフィーチャーした3曲目「Fletcher's Blemish」は、ロックよりフリー・ジャズ色がはるかに強く、なかなか良いです。LPでいえばB面全部を占める「Virtually Pt.1〜4」も曲として非常に良く出来ている。

ちなみに、このアルバムではロバート・ワイアットの曲は一曲もなくて、その後ワイアットは脱退してしまうのですが、ソフト・マシーンはもはやワイアットのグループでなく、マイク・ラトレッジ(key)とヒュー・ホッパー(b)と、そして「第四のメンバー」だったサックス・プレイヤーのエルトン・ディーンが「第三の男」になったということなんでしょうね。実際、このアルバムではサックスの比重が高いです。また、ワイアットも、ドラマーとしての存在感は十二分で、ソフト・マシーンのアルバムでは最も成熟したプレイを聴かせてくれます。好盤。 (1/29/03)