Shut Down, Vol.2 ★★★★★

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The Beach Boys / Shut Down, Vol.2

::★★★★★::1964::Capitol::pop::rock::
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■ オレ的にはこれがビーチボーイズのベスト・アルバム

個人的に、初期ビーチ・ボーイズのアルバムで最も好きなのがこのアルバムです。まず、ビーチ・ボーイズで、ぼく的にはベストソングである「Don't Worry Baby」が入っている。ロネッツの「Be My Baby」の一種の返歌であるこの曲は、メロディに「Be My Baby」の面影を残しつつも、ビーチ・ボーイズ(というかブライアン・ウィルソン)以外何ものでもない世界を築きあげています。歌詞の「弱気なボク」路線も、情けないやっちゃと思いつつ、なんだかせつない。強気なブライアンなんてブライアンじゃないですからね。有名なバラード「The Warmth of the Sun」ですが、もう絶句という感じ。現存するバラードの中で最も複雑でかつ美しいメロディを持った名曲中の名曲と言えるでしょう。つーか、ブライアン・ウィルソンの天才ぶり、ここに極まりけり、ですよ。もうひとつ、バラード「Keep an Eye on Summer」。こちらはわりにオーソドッスな曲ですが、これもビーチ・ボーイズ、いや、全ポップス中で最高のバラードのひとつ。この3曲が一枚のアルバムに入っていることの奇跡に、嘆息するのみです。しかし、まだまだありますよ、素晴しいのが。黒人ボーイグループのはしりであるフランキー・リモン&ザ・ティーネイジャーズのドゥーワップヒット「Why Do Fools Fall in Love?」のカバー。ブライアンの伸びのあるリードボーカル、熟練のバックボーカル、原曲を超えるすばらしい出来。この曲のみモノラル録音なのですが、それもなんだか良い効果。ナイーブな歌詞もブライアンに合ってる。ほんまに良い! それから、このアルバムには、有名な「Fun Fun Fun」が入ってます。この曲だって、ビーチ・ボーイズのアップの曲では最高の曲のひとつなのは間違いないのですが、これを5番目に紹介するはめになるのがこのアルバムのおそろしいところです。

で、ですね。こんなにぼくが絶賛するこのアルバムが、All Music Guideでは、現在の段階で★★★の評価なんですよ。それというのも、「"Cassius" Love Vs. "Sonny" Wilson」なんていうとんでもない楽屋落ちみたいなクズ曲が入ってるから‥。まさにトホホです。でも、その他の「捨て曲」はAll Music Guideが言うほど悪くないと思うんですけどね。実際、ぼくは馬鹿馬鹿しい「Pom Pom Play Girl」をひそかに佳曲だと思ってますし、インストの「Shut Down Vol.2」なんて、カッコイイと思うんですけどね。ま、いいですけどね、ブツブツ‥ (9/8/02)