Surfer Girl ★★★★

Surfer Girl / Shut Down 2

The Beach Boys / Surfer Girl

::★★★★::1963b::Capitol::pop::rock::
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■ 前作に劣らない素晴らしいサードアルバム

一大「サーフ音楽ブーム」をまきおこしていたビーチ・ボーイズを、レコード会社のキャピトルはおそらく消費物としか見ていなかったと思われるのですが、とにかく早急に大量のレコードをリリースするように求められていたビーチ・ボーイズ。前作「Surfin' USA」と同じ年に早くもサードアルバムのリリースです。ということで、まあ、アルバムの内容に若干ムラがあるのは否めないのですが、しかし、このアルバム「Surfer Girl」は明らかに前作「Surfin' USA」よりパワーアップしています。All Music Guideでは9/8/02現在、★★★の評価ですが、正直、不当な評価だと思いますね。ビーチ・ボーイズで最も有名なバラードである「Surfer Girl」がアルバム冒頭を飾るのですが、実際このアルバムはバラードの出来がすばらしい。バラードは大体においてブライアン・ウィルソンがリードをとるわけですが、ブライアンのシンガーそしてソングライターとしての才能が最も輝いている瞬間を垣間みることがでます。「Surfer Girl」はもちろん素晴しいのですが(この曲は、ギターのバッキングも印象的)、ビーチ・ボーイズ・マニア(というかブライアン・マニア)によく知られた、「ブライアンのヒッキー宣言」たる「In My Room」も泣かせるし、それほど有名でない「The Surfer Moon」も「Your Summer Dream」も、ため息でるほど美しい名曲で、ブライアンのメロディメーカーとしての天才性を見ることができます。つーか、曲名になんでもかんでも「Summer」とか「Surf」とか入れれば良いのか、という疑問も残りますが、つーか、そのあたりの安易さが過小評価の原因なんですけどね。アップではメロディがちょっと変則的な「Catch A Wave」、それから車モノの「Little Deuce Coupe」という二曲の有名曲がナイスですが、その他は弱いかもしれませんね。「Our Car Club」やどことなく馬鹿馬鹿しい「Hawaii」とかけっこう好きなんですけどね。 (9/8/02)