Surfin' USA ★★★★

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The Beach Boys / Surfin' USA

::★★★★::1963a::Capitol::pop::rock::
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■ 魅力が開花したセカンドアルバムにして初期の代表作

朴訥で、まあ、ぶっちゃけていえば平凡だったデビュー作に続くセカンドアルバムは一気に才能開花という感じです。まずは天下無敵の表題曲。チャック・ベリーの「Sweet Little Sixteen」の、カバーというか替え歌なんですが、原曲をまったく違うレベルに昇華してしまっているのがスゴい。だるそうでdorkyなマイク・ラヴのリードボーカル、華美かつどこかとぼけた感じのコーラス、100%どこを切ってもビーチ・ボーイズの魅力爆発です。特に、コーラスでのブライアン・ウィルソンのファルセットの存在感が増しているのがデビュー作との違いでしょう。てゆーか、本人も言ってますが、ブライアン・ウィルソンはこのアルバムでボーカリストとして開花します。ぼくは「Pet Sounds」から入った人間で、「Pet Sounds」でのブライアン・ウィルソンや、のちのソロ時代のボーカルから「ブライアンてへったやなぁ」という印象しかなかったのですが、ごめんなさい、初期のブライアンはすごく魅力のあるシンガーでした。アップテンポの「Farmer's Daughter」でのブライアンのリードボーカルの透明度とメロウさはすばらしいのヒトコト。また、ビーチ・ボーイズ初の本格バラードである「Lonely Sea」でのブライアンは崇高なほどの美しさです。他の曲では、インストの「Stoked」「Let's Go Trippin'」がなかなかに力強いサーフロックとなっていて良いですね。他は、まあ、も一つというか、初期ビーチ・ボーイズのアルバムにあまり多くを求めてはいけないというか。とりあえず、一皮むけたビーチ・ボーイズの代表作であります。 (9/8/02)